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なぜココカラファインなのか?ドラッグストア業界で争奪戦激化の裏事情

文=編集部

 克典氏は、スギHDに入社する前はジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)で武者修行していた。その当時の上司がココカラの取締役の柴田透氏。柴田氏は6月末の株主総会で退任したが、J&Jつながりの人脈を生かし、スギHDはココカラに対して非公式に経営統合を打診してきたといわれている。柴田氏は花王出身。日本リーバ(現ユニリーバ・ジャパン)、エスティローダを経て01年2月、J&Jのコンシューマーカンパニーの代表取締役。14年11月にココカラの顧問となり、15年4月にココカラ副社長執行役員経営戦略本部長兼海外事業部長に就任した。

ココカラは特別委員会をつくり“嫁入り先”を決める

 ドラッグストア業界は中小薬局のM&Aで大規模化してきた。業界慣行により薬局の新規出店には距離制限(一定地域に一店舗など)があるため、薬局の売り物が出ると、すぐに買い手がつく。特に調剤薬局はおいしい物件で取り合いになる。調剤薬は保険適用のため定価販売で、市販薬より利益率が高い。調剤薬局の権利を買い、同一地域内で調剤薬局を併設する大型のドラッグストアというかたちで新装オープンする。ドラッグストアのM&Aは調剤薬局の争奪戦なのである。

 ココカラは特別委員会を設け、7月末をメドに、どちらを選ぶかを決め、取締役会に報告する。関係筋によると、報告は8月にズレ込む公算が大きい。

 特別委員会のメンバーは亀井淳・元イトーヨーカ堂代表取締役最高執行責任者、今井光・元メリルリンチ日本証券副会長、松田淳・KPMGヘルスケアジャパン代表取締役、中川秀宣・弁護士、和田芳幸・公認会計士、谷間真・社外取締役の6人で構成。5人はマツモトキヨシHD、スギHDと利害関係はない。谷間氏は経営戦略コンサルティング会社・セントリス コーポレートアドバイザリー代表取締役。

 ドラッグストア業界で「買収」というかたちは、これが最後になるだろう。今後は、大きいところ同士の大合併となるからだ。

 イオンにはドラッグストア連合「ハピコム」がある。イオン系のウエルシアHD、イオンが筆頭株主のツルハHD、ツルハHDが出資するクスリのアオキHDなどがメンバーだ。首位の座を“ココカラ連合”に明け渡すことになるツルハHDとウエルシアHDがいつ、合併を決断するかにかかっている。両社が経営統合すれば“一発逆転”となる。

 九州が地盤で現在業界3位のコスモス薬品は首都圏を攻略中。コスモス薬品が再編の台風の目になるとの見方が有力だ。
(文=編集部)

【続報】

 ココカラは7月30日、同業他社との経営統合の是非を検討する特別委員会の報告が8月上旬にズレ込むことになったと発表した。6月時点では7月末の報告を予定していた。ココカラに対してはマツモトキヨシHDとスギHDが、それぞれ経営統合をオファーしている。特別委は、どちらと経営統合したほうが望ましいかを検討してきた。

 ココカラは特別委の報告を踏まえ、取締役会で検討。経営統合の相手を決める段取りとなっている。報告の遅れにより、結果の公表は8月中旬以降になる見通しだ。

BusinessJournal編集部

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