ユニクロ(国内)の「子ども服・ベビー服」の販売は伸びている。18年8月期の売上高は前期比11%増の672億円だった。全体の伸びが6%増だったことと比べると、子ども服・ベビー服の伸びのほどがわかる。今後の伸びが期待できるため、さらなる販売強化を図っている。
しまむらも子ども服・ベビー服の販売は悪くない。19年2月期の売上高は309億円で前期とほぼ同じだったが、全体が5%減だったので、相対的に健闘したといえるだろう。
しまむらは主力のファッションセンターしまむらのほかに、子ども服専門店「バースデイ」を展開している。19年2月期末時点の店舗数は、1年前から23店増えて284店となった。19年2月期の売上高は、前期比5.0%増の539億円だった。主力のしまむらは苦戦が続いているが、バースデイは好調だ。
西松屋は、こうした子ども服を扱うファストファッション企業との競争が激化している。西松屋は最大手とはいえ、今後については予断を許さない。
徹底したローコスト経営で成長
西松屋は徹底したローコストオペレーションからくる圧倒的な低価格販売が強みだ。500円に満たないTシャツや1000円に満たないワンピースなど、1000円未満で買えるものが大半となっている。
西松屋は本部主導で画一的な店舗運営を行って多店舗化を図る「チェーンストア理論」を徹底していることで知られている。「金太郎アメ」のように、ほとんど形を変えない店舗を人口集中地域を中心に出店してきた。こうして店舗の標準化を図って効率性を高め、ローコスト運営を実現している。
ドミナント出店も特徴だ。1店舗の商圏人口を10万人に設定し、商圏を隣接させて出店している。これにより効率的な配送や店舗運営を実現している。また、ドラッグストアやホームセンターなどの跡地にある居抜き物件に積極的に出店しているのも特徴だ。こうした効率的な店舗展開を行うことも、ローコスト運営につながっている。
なお、西松屋は店舗が常時混雑するようになると、近隣に新規出店して自社競合をあえて生じさせて混雑の解消を図る出店戦略を採用している。客数が減っているのは、このことも影響しているだろう。
店舗運営でも徹底したコスト削減を行っている。ハンガー陳列を多くしたりワゴンを置かないようにするなど、商品整理の手間を省いている。販促につながらないとしてBGMを流していないことも、結果として経費削減につながっている。