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「子ども服1000円未満」西松屋が客数減深刻…ユニクロやしまむらも注力で攻勢開始

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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 2~5店舗ほどを1人の店長が統括することがあるのも西松屋ならではだ。これにより人件費を削減している。1店あたりの店長の業務量が多いと多店舗管理は難しいが、西松屋では商品の配分や売り場レイアウトの策定といった業務を本部主導で行うなどして店長の負担を減らし、店長1人でも多店舗管理ができるようにしている。

 こうしたローコスト運営で低価格を実現し、総合スーパー(GMS)などから顧客を奪って成長を遂げてきた。

国内市場は頭打ち傾向

 ローコスト運営のほかでは、PB(プライベートブランド)商品が充実してきていることが大きい。

 商品開発のノウハウに乏しかった西松屋は09年ごろから、大手電機メーカーを辞めた技術者を積極的に採用するようになった。彼らのものづくり力を生かして、機能性の高い子ども服のPB商品を開発してきた。抱っこひも「ダッコール」は電機メーカーで業務用の小型プリンターの開発者だった人が開発しているという。

 ほかに、ベビーカー「バギーfan」や、しゃがんでも背中が見えにくい「ストレッチパンツ」、継ぎ足して使うことができるクッション性マット「くみあわせマット」、「座れるおもちゃ箱」など数多くのヒット商品を生み出している。

 西松屋はこうしたPB商品やローコスト運営を武器に店舗網を拡大してきた。しかし、競争の激化やコスト高で収益性は厳しくなっている。06年2月期や07年2月期に10%を超えていた売上高営業利益率は徐々に低下していき、19年2月期には2.6%まで落ち込んだ。これまでのやり方を踏襲するだけでは、収益を上げることが難しくなっており、生き残ることは難しい。

 今後は、店舗網の拡大やPB商品の強化に加え、インターネット販売と海外向け販売の強化が必須だ。西松屋は他社運営のサイトでネット販売しており、昨年11月に国内2カ所目となるネット販売専用の配送センターを開設するなど販売体制を強化している。だが、中長期的な収益を考えると、自社サイトの立ち上げが欠かせないだろう。また、国内では出店余地が限られてきており、海外向け販売を加速させる必要もありそうだ。

 最大手の西松屋といえども安泰ではなく、マザウェイズの二の舞にならないとも限らない。さらなる成長に向けた施策を講じ続ける必要がありそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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