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三次方程式
絢氏はデビュー戦を勝利で飾れなかったが、確実にポイントを稼いだ。C&I側から株主提案を受けた直後の7月10日、黒田電気は16年3月期の年間配当を36円(15年3月期と同じ)から94円に大幅増額すると発表。16年3月期から18年3月期間までの配当性向を純利益の40~65%とする、積極的な株主還元策を打ち出した。15年3月期の配当性向は19%だったが、これを大幅に引き上げる。
C&Iが提案した純利益の100%の株主還元要請に、会社側が対応したものだ。慌てて配当を増額した泥縄式の印象は否めないが、C&Iは実利を得た。投資ファンドは株価が上昇した時点で売り抜けるのが鉄則。今後、C&Iはタイミングを見計らい高値で売り抜けてリターンを得ることもできる。
世彰氏は個人で電子部品商社エクセル株式の約7%を保有。半導体商社の三信電気株を世彰氏と絢氏が代表を務める会社が約9%取得している。絢氏は黒田電気、エクセル、三信電気の3社の再編を主導すると目されている。半導体商社は経営規模が小さいことや海外の競合他社に比べて利益率が低いことから、経営再編は待ったなしでやってくると予測されている。経営統合の中核となる企業に、世彰氏らが保有している他社の持ち株を売却して高値で売り抜けるという「三次方程式」が成立する可能性もある。
(文=編集部)
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