スーパーなどの「最低価格保証」、顧客が損をしている可能性?“暗黙の価格カルテル”
「Getty Images」より
家電量販店、スーパーマーケット、インターネットの旅行サイトなどでは、「他店よりも高ければ値下げします」という最低価格保証をよく見かけます。店舗にとっては、競合の価格調査を完璧に行わなくても、消費者がそれを肩代わりしてくれるというメリットもありますが、それ以外に異なる受け手に対して違ったメッセージを発していることをご存じでしょうか?
まず、これからこの店で買おうと思っている人に対しては、「当店はどこよりも安いので、ここで買えば間違いがありませんよ」という意味で、新規顧客や潜在顧客を誘引する役目を果たしています。同時に、すでにこの店で買った顧客に対しては、「もっと安く売っている店があったと、あとで後悔することはありません。あなたは正しい選択をしたのですよ」というメッセージにより、顧客満足度を高める効果があります。たとえ顧客が「他の店の価格を十分に調べないで買ってしまったかな?」などと自身の購買に対して不安を抱いていたとしても、それを解消させる役割を担っているのです。
ここまでは消費者にとっていいことずくめなのですが、実は最低価格保証は競合小売店に対して「値下げ競争は無駄だからやめましょう」という暗黙の価格カルテルを発信しています。
したがって最低価格保証がある場合のほうが、市場価格が高いレベルに落ち着く傾向があります。さらに、ポイントや無料延長保証の有無、キャンセルポリシーの違いなど、価格の構造自体が複雑化しており、同一条件下での価格比較ができずに最低価格保証に該当しないケースも多々あります。
賢い消費者としては最低価格保証を過信せず、またそれに踊らされないことが肝心です。
ブランデッド・バリアント(流通経路専用モデル)
ジャパネットたかた・モデルと呼ばれるケルヒャーの高圧洗浄機には、通常、小売店で買った場合に含まれない延長ホースが付いてきます。また、ビックカメラでダイキンのエアコンのカタログを見ると、型番の語尾にBが付いたビックカメラ専用モデルが並んでいます。通常のダイキンのモデルとの違いは、室外機が錆に強くなっていて、ブレーカーが落ちないように最大消費電力を70%、50%に設定できるようになっています。