愛知県名古屋市に本社を置くコンビニエンスストアチェーンのココストアが、業界3位のファミリーマートに買収されることになりました。ココは、関東や関西の人にはそれほど馴染みがないかもしれませんが、名古屋に住んでいる筆者は大好きなコンビニです。
ファミマは買収によって、九州地区に集中出店しているココの店舗網を入手することが主な狙いのようです。ファミマは、すでにサークルKサンクスを抱えるユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を発表しており、それらも合わせると、店舗数で業界首位のセブン-イレブンと肩を並べることになります。
しかし、1店舗当たりの売り上げや収益を見ると、セブンとの間にはまだまだ差があるのが現状です。圧倒的王者のセブンに対する競争戦略について、みなさんなら、どのように考えるでしょうか?
昨年、この問題について本学のゼミナールの学生が研究に取り組みました。具体的には、「セブンが圧倒的地位に立つコンビニ業界で、5位のミニストップはどのような戦略を展開していくべきか」というテーマです。
ミニストップは、GMS(総合スーパー)業界で圧倒的王者のイオングループ傘下です。「こうした強みを活用して戦略を立てれば、解決策が導かれるのではないか?」と考えられることから、対象になりました。
セブンの国内店舗数は約1万7000店で、ミニストップは約2000店です。8倍以上の差をどのように縮めていくのか、筆者も大変興味深いテーマだと感じました。
調べれば調べるほど、セブンの強みが明確に
学生たちは、まず消費者のコンビニに対する意識調査を行いました。結果は予想通り、ブランドイメージや商品に対する評価などで、セブンの人気は圧倒的でした。
また、各コンビニを訪問してオーナーなどにインタビューを行うと、セブンは各店への商品の納入頻度が、ほかのコンビニより高いことがわかりました。商品の納入頻度が高いことにより、商品の品切れや過剰在庫を最小化させることができます。
さらに、その効果は物流だけにとどまりません。納入頻度の高さは、消費者においしい商品を届けることにもつながります。なぜなら、鮮度の高い商品を届けることが可能となるからです。また、次の納入までの時間が短いことで、保存料などの使用が最小化できます。