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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」
椎名町の普通の旅館、なぜ外国人客に大人気?「ファミリーイン西向」の秘密!
高級ホテルにはできない「おもてなし」とは?
さらに、モノではなくサービスを求める訪日客も多い。
「昨今、滞在先として『パークハイアット東京』などの高級ホテルと並んで人気を呼んでいるのが、『ファミリーイン西向』という椎名町にあるごくごく普通の旅館です。日本人家族が経営しているこの旅館は、宿泊客の要望があれば自家用の自転車を貸し出したり、相手のリクエストに合わせてガイドブックに載っていないような小さな和食居酒屋や町内のお祭りにエスコートしたりしてします。このようなちょっとした相手のニーズに応える『和のおもてなし』が、高級ホテルにはないサービスということで外国人にはウケているようですね」(同)
国籍はもちろん、個人によって顧客のニーズはさまざま。そのため、単に日本人のニーズの延長ととらえてマーケティングをしても、大きな市場の拡大を望むことができないと解説する有馬氏は、最後にこうまとめる。
「考え方や習慣の違いを尊重して、相手の『常識』を理解すること。それに『おもてなし』精神を加味したマーケティングが、ビジネスチャンスに結び付くといえるでしょう」
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)
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UPDATE:17:30