捏造も当たり前…病気を「つくり」ガッポリ儲ける製薬企業 高血圧の基準がコロコロ変わる裏事情
「最高血圧120未満」が治療目標?
先頃、米国の国立心肺血液研究所が発表した「高血圧基準値は120未満を目標にするべき」という大規模な研究報告が、波紋を呼んでいます。日本では一時期「130未満」が基準値となっていたものの、現在では高齢者が血圧を下げすぎると転倒して骨折を招くおそれがあることから、概ね140未満を目安とする治療が主流になっていたためです。
肥満者の多い米国人との比較が一律に日本人に当てはまるのかは疑問ですが、今回の報告は、50歳以上の高血圧症と心筋梗塞のリスク患者9400人への3年間の追跡研究から導き出されたものとなっています。9400人に対して、血圧を「120未満」に下げる患者と、「130未満」に下げる患者の2群に分け3年間追跡。その結果、「120未満」にした患者のほうが心不全や心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが、「130未満」にした患者よりも27%も低かったといいます。
いずれにしろ、この研究報告を素直に受け止められないのは、これまでの医療業界、製薬業界のさまざまな過去の経緯から、欺瞞的な匂いがプンプンと漂ってくるからにほかなりません。
日本は米国に次ぐ世界第2位の薬漬け国家
意外に知られていませんが、日本は米国に次ぐ世界第2位の薬漬け国家です。米国の医薬品市場は世界市場の4割弱を占めますが、日本も同約1割を占める薬漬け国家なのです。薬剤費がべらぼうに使われていることが窺われます。
日本の場合、医薬品は約9割が医療機関向けです。国の医療費は年々伸び続け、2014年度には40兆円に達しています。00年度と比べて14年間で10.5兆円もの増加です。40兆円の医療費のうち、薬剤費の占める割合は、ほぼ4分の1にまで達しています。00年度と比べ、調剤薬局の薬剤料だけが2倍以上もの突出した伸びを示しているのです。
もちろん、厚労省もほぼ2年毎に薬価を見直し引き下げに動いていますが、薬剤費は下がりません。業界はジェネリック医薬品の浸透を阻むべく、薬価基準を巧妙にすり抜ける新薬もどきの製品への切り替えで、薬剤費を膨張させてきたからです。
製薬会社は、どこも儲かっています。景気に左右されない業態である上に、特許切れによる収益減に備え、潤沢な内部留保を活かしての世界市場でのM&Aに邁進しています。