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石原結實「医療の常識を疑え!病気にならないための生き方」

「がん」による若死、なぜ激増?肉・卵・牛乳等の高脂肪=食の欧米化が原因か

文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士
「がん」による若死、なぜ激増?肉・卵・牛乳等の高脂肪=食の欧米化が原因かの画像1「Thinkstock」より

 今や、日本人男性の平均寿命が80歳、女性で87歳と日本は世界でトップレベルの長寿国である。「今、生きている日本人の誰もが、平均的にこの年齢まで生きられる」と勘違いしている人が多いが、早計にすぎる。

 「平均寿命」とは、「今年生まれた0歳児の平均余命」のことである。つまり、今年の平均寿命は赤ん坊たちの「予測寿命」ということになる。

 仮に、男女合わせた平均寿命を85歳としてみる。1世代=30年として、55歳以下で亡くなった人を「早死」としよう。

 今年に亡くなった有名人に限っても、以下のとおりがんで早死された方が目立つ。

・1月20日:斉藤仁さん(54歳)胆管がん…ロサンゼルス五輪、ソウル五輪の95キロ超級の柔道金メダリスト
・5月2日:柳生真吾さん(47歳)咽頭がん…テレビ番組『趣味の園芸』(NHK)のキャスター、父は俳優の柳生博さん
・5月22日:丸山夏鈴さん(21歳)転移性肺がん…タレント
・5月22日:大内義昭さん(55歳)食道がん…音楽プロデューサー、『愛が生まれた日』がミリオンセラーに。
・5月28日:今井雅之さん(54歳)大腸がん…俳優
・7月11日:岩田稔さん(55歳)胆管がん…任天堂社長
・9月19日:黒木奈々さん(32歳)胃がん…アナウンサー
・9月24日:川島なお美さん(54歳)胆管がん…テレビドラマ『失楽園』などで有名な女優

 1975年の医師数が約13万人、がん死者数も約13万人だった。その後の40年間で、医師数は約3万人増加しがんに関する研究や治療は格段に進歩したとされているのに、14年のがん死者数は36万人を越えた。

 60年から毎年9月は「がん征圧月間」と銘打ち、官民挙げて「がんの早期発見・早期治療」によるがん征圧に躍起になっているが、それをあざ笑うがごとくがん死者数は減るどころか激増している。医師たちは過酷な労働に耐え、懸命の治療の努力をしているにもかかわらず、この様である。

早期発見は「早期」ではない

 ということは、西洋医学の方向性、論理、やり方が、正鵠を射ていないのではないかと考える人も少なくないだろう。

 早期発見こそががん征圧の最重要ポイントである、と西洋医学は断言する。

 しかし生物学的にみると、がん細胞が1個体内に発生して、それが分裂増殖して医学が早期発見できる最小の大きさ(直径=0.5ミリ、がん細胞=10億個=1グラム)に成長するまで最低10年、長くて30年、平均なら20年かかるとされている。よって、臨床医学(内科、外科、婦人科等)で、“早期”発見したときは、生物学的にみるとかなり“晩期”発見であるといえる。

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

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