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サード・ポイントに揺さぶりをかけられ株主還元策を実施したことでファナックの株価は急騰したが、短期間で急反落して元に戻ってしまった。ローブ氏が「セブン&アイHDは配当を2倍に引き上げるべきだ」と発言したと報じられたことで、投資家の間で株主還元の期待が高まった。セブン&アイHDの株価はサード・ポイントの取得が明らかになって以降、上昇基調を続けている。
ヨーカ堂の買い手
セブン&アイHDはもともと外国人の保有割合が高い(15年2月期まで34.9%)。サード・ポイントの要求は、ひと言でいえば「総合スーパー(イトーヨーカ堂)や百貨店(そごう・西武)を売却すれば利益率は上がる。配当余力が増したら、配当を増やせ」というものだ。
セブン&アイHDは傘下のイトーヨーカ堂とそごう・西武の構造改革を打ち出した。イトーヨーカ堂は収益改善が見込めない店舗を今後5年間で40店舗閉鎖する。そごう・西武は、赤字基調が続く西武春日部店(埼玉県春日部市)を16年2月29日付で閉店する。
「イトーヨーカ堂の買い手の第一候補は西友。ライバルのイオンには絶対売らないだろう。二番手が消去法で長崎屋を立て直したドンキホーテホールディングスとみられている」(市場筋)
もし、そごう・西武に手をつけるとなれば、三越伊勢丹ホールディングス、高島屋、阪急阪神ホールディングスなどが、東西の地域別に分割して引き受けることが想定される。老舗高級スーパー、紀ノ國屋を買収したJR東日本も“隠れ候補”とされている。
個人投資家の関心が高いのが、「配当を2倍に引き上げる」株主還元策。セブン&アイHDは配当性向35%を掲げ、16年2月期の年間配当金は前期より4円多い77円を計画している。この上乗せを期待しているのだ。
「サード・ポイントは小売り銘柄を物色中との噂を盛んに流している。ローブ氏本人なのかスタッフなのか確認できていないが、訪問を受けた百貨店があると聞いた」(小売り企業トップ)
虚々実々の駆け引きが、今後も繰り広げられることになる。
(文=編集部)
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