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2023.02.16 10:09
2019.11.22 06:00
たかぎこういち「“イケてる大先輩”が一刀両断」
オンワード、600店閉鎖・赤字転落の英断…アパレル業界の旧態依然たる経営と決別
(3)ハイクオリティ・ライフスタイル事業開発
ビューティー事業の強化に加えて、非アパレル領域への事業拡大を続ける。親和性のある事業であれば、積極的なM&A(合併・買収)を進め、構造改革を進めながら売上を維持するためには必要な手段であろう。
成長への布石とともに進められる不採算事業からの撤退として、国内百貨店のみならず韓国市場からは完全撤退し、米国からも主力ブランド「ジョゼフ」が撤退。欧州では不採算店を閉店させる。中国市場では、販売事業について中国の現地企業と提携し、新たな可能性を探る。海外事業の赤字を国内事業の黒字で埋める悪しき慣習から、早く脱皮する必要がある。オンワードの鬼門であり続けた海外事業の本質的改革は必須である。
4.まとめ
オンワードHDは、従来の時代遅れのビジネスモデルとの決別を宣言した。各メディアや拙著でも指摘しているが、アパレル業界全体は旧態依然のままである。しかし、オンワードHDは大きな転換期を迎えた。21年2月期まで不採算店舗の閉店、海外事業の清算とマイナス要因が続き、特別損失として約250億円(事業整理損約30億円、減損損失約220億円)を計上した。遅いとはいえ、この大英断を下した保元社長と役員の方々に敬意を表し、熱いエールを送りたい。3年後の新生オンワードHDに大きな期待を寄せるものである。
(文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師)
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