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電力業界は今後、原電の敦賀原発の廃炉を前提に動くことになる。原電の12年3月期の有利子負債は1214億円。4月には日本政策投資銀行、みずほコーポレート銀行から1040億円を借り入れた。経営難に陥った東電を除き卸売り電力を買い取る関電など4電力が債務保証をした。
電力各社が肩代りするのは債務保証分だけではない、廃炉費用も負担する。原電が既に廃炉作業を進めている東海原発は全電力を購入していた東電が廃炉費用を負担した。敦賀原発の廃炉費用は電力の供給を受けてきた関電、中部電、北陸電が負担することになる。
政府提出の資料によると電力会社と原電の長期契約について、このように記す。<基本契約の中では、電力受給の終期や料金について明確な記載はしていません。(中略)日本原電との間では期限の定めのない永続的な契約関係にあります>
要するに、停止した原発維持のコストは転炉費用も含めて永続的に消費者に転嫁される仕組みになっているのである。
原発の廃炉は電気事業法などに基づき事業者の判断に委ねられている。政府が強制的に廃炉を決めることはできない。原電が廃炉に徹底抗戦をする姿勢を見せているのは電力各社への影響が及ぶことを避けるための時間稼ぎである。
13年には廃炉費用を国が負担するスキームが新たにでき、廃炉が決定することになるだろう。
今後、発送電分離や9電力体制の改革に向けての議論が本格化するが、安倍政権になり民主党時代の議論は白紙に戻され、一からやり直すことになる。
政権交代が原電の将来を大きく左右することになるとの指摘が出始めた。(敬称略)
(文=編集部)
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