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瀕死ワタミを覆う渡邉美樹の呪縛…いまだ筆頭株主に君臨、社員過労死で「重大な責任」認定

文=編集部

創業者・渡邉美樹氏はワタミ株式を手放すのか

 神明HDはワタミの4.19%の株式を持つだけでは、さしたる影響力を行使できないだろう。株式を買い増して筆頭株主になるかどうかが今後の焦点となる。

 だが、そのハードルは高い。ワタミの筆頭株主は発行済み株式の25.09%を保有するアレーテーだ。アレーテーは創業者の渡邉美樹氏の資産管理会社だ。第2位がサントリー酒類8.01%、3位はアサヒビールの4.26%。神明HDが筆頭株主になるためには、渡邉氏が株式を手放すかどうかが大きい。

 08年にワタミが展開する「和民」で働いていた森美菜さん(当時26歳)が自殺し、その責任は会社側にあるとして、遺族らがワタミと当時社長の渡邉氏に損害賠償を求めた。この訴訟は15年12月8日、被告側が懲罰的要素を含む巨額の賠償金を支払うことで和解が成立した。ワタミ側は業務に起因する自殺であることを認め、渡邉氏が謝罪したうえで1億3365万円を支払った。

 もっとも重大な損害賠償責任を負っていると認定された渡邉氏は、経営責任をとって「今後ワタミには戻らない」と各メディアに語っている。この発言通りなら、資産管理会社で保有している株式はどうするのだろうか。保有を続けるのか、それとも売却するのか――。三菱商事=神明HD連合にとって気になる点だ。
(文=編集部)

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