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三菱UFJ銀行の「不穏な動き」…巨大金融グループ形成を画策か、業界淘汰に先手

文=編集部
三菱UFJ銀行の「不穏な動き」…巨大金融グループ形成を画策か、業界淘汰に先手の画像1「Thinkstock」より

 金融の「休火山地帯」と呼ばれている東海経済圏が次の地域金融機関(地方銀行、第2地方銀行)再編の舞台となるとの見方が急浮上している。

 マイナス金利の導入で、まったくといっていいほど動きのなかった東海地区が火薬庫になったというのだ。トヨタ自動車、スズキ、本田技研工業(ホンダ)の工場があって景気が良かったため、地銀・第2地銀に危機感が薄かった。

 しかし、愛知県は明らかにオーバーバンキング地区だ。名古屋銀行、愛知銀行、中京銀行の3行がある。これらはいずれも第2地銀で、特に名古屋銀行は「第2地銀の雄」と呼ばれている。

 中京銀行の筆頭株主は三菱東京UFJ銀行、愛知銀行の第2位の大株主でもある。中京銀行を岐阜市の地銀、十六銀行と合併させるシナリオがあったが、中京銀行に64年ぶりに生え抜き頭取が誕生したことからスムーズに行かなくなったといわれている。

 三重県には三井住友銀行系地銀の三重銀行と第2地銀の第三銀行がある。岐阜県は十六銀行と大垣共立銀行の2つの地銀が並立している。都市銀行の東海銀行が消滅してしまったため、地域の中核銀行がないのが現状だ。

「信金王国」といわれ、第2地銀以上に経営規模が大きい岡崎信用金庫や岐阜信用金庫の存在が再編を難しくしているとの指摘もある。

 岡崎信金は「2015年に普通銀行に転換しようと金融庁に相談した。普通銀行になって愛知銀行や中京銀行を買収しようと考えたからだ。しかし、金融庁がストップをかけた」(メガバンクの首脳)という。

グループ化が着々と進行

 東海経済圏は、静岡銀行、スルガ銀行、清水銀行の3つの地銀と第2地銀の静岡中央銀行がある静岡県を含めると、さらに過密度が増す。今後、地銀・第2地銀が全国レベルで、どういう組み合わせで集約されるかを占ってみよう。

 大きな流れはグループ化だ。地銀7グループが3月に共同で資産運用会社オールニッポン・アセットマネジメントを設立した。代表取締役社長には元財務省関税局長の竹内洋氏が就任した。

 山口フィナンシャルグループ(FG)、西日本シティ銀行、広島銀行、十六銀行、山陰合同銀行、秋田銀行、山形銀行が1億円ずつ出資した。日本政策投資銀行と準大手の証券会社、東海東京フィナンシャル・ホールディングスからも出資を受け、ほかの地銀にも参加を呼びかけている。

 この資産運用会社は、合併・統合の地ならしをする受け皿とみなされている。オーバーバンキングの東北からは秋田銀行、山形銀行の2行、中国地方は山口FG、広島銀行、山陰合同銀行の3行が参加した。中国地方の3行は九州の西日本シティ銀行と手を組み、長崎県の十八銀行を子会社にして一層巨大化するふくおかフィナンシャルグループに対抗する狙いが秘められている。

BusinessJournal編集部

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