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金融庁のリポートが地銀再編の決定打
金融庁の森信親長官は15年7月、金融機関に対する検査・監督の年間報告書「金融モニタリングレポート」で全国106の地方銀行の利益見通しについての試算を公表した。
金利や貸出残高が過去3年間の平均と同じペースで推移することを前提にすれば、18年3月期の経常利益が14年3月期より増益となるのはわずか17行にすぎず、8割超の89行が減益となる。22行の利益が半分以下、そのうち5行は赤字という衝撃的な内容だった。
さらに、日本銀行のマイナス金利導入が再編へ背中を強く押したことは間違いない。預金と貸出金の利ざやが縮小し収益の悪化が避けられないからだ。「(マイナス金利導入で)今後、数十億円規模の減益要因が発生するが、これをどうやって埋めるか大変だ」と打ち明ける東北地区の地銀トップもいる。
マイナス金利で、再編は待ったなしの状況となった。ここで、これまでの再編の流れをおさらいしておこう。
15年10月に肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合し、九州フィナンシャルグループが発足した。
16年4月には、横浜銀行と東日本銀行の共同持ち株会社コンコルディアFGが誕生した。トモニホールディングスは大正銀行を買収。東京都民銀行と八千代銀行を傘下に持つ東京TYフィナンシャルグループは新銀行東京を傘下に組み入れる。
10月には常陽銀行と足利ホールディングスが経営統合する。
17年4月には福岡銀行・熊本銀行・親和銀行を傘下に持つふくおかFGが、十八銀行を子会社にする。
地銀再編の動きは、水面下のものを含めて一層活発になっている。だが、吸収される側の感情もあって経済合理性一点張りといかないところが面白い。
(文=編集部)
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