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石堂徹生「危ない食品の時代、何を食べればよいのか」

ココイチ廃棄カツ横流し事件、真相は闇のまま調査終了か…7割が身元不明の不気味さ

文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

 今回の廃棄食品横流し事件では、幸いにも健康被害は表面化していないが、一歩間違えれば広範囲に食中毒などの事件を引き起こしていた危険性を否定できない。それにもかかわらず、言葉を換えれば先の108品目のうちの7割弱が身元不明という核心部分が闇のなかで、決定的な有効打を欠いたまま「しっかり! 法令の遵守」【編注6】がキャッチフレーズの電子マニフェスト機能強化などに頼らざるを得ない。

 まさに薄氷を踏む思いをぬぐい去れないが、これを少しでも客観的に、つまり科学的に評価する方法はないものか。それが、「偽装の経済学」である。
(文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト)

※後編に続く

【編注1】[中嶋康博『食品の安全・品質認証制度の展開』「農業市場研究」第12巻第2号《通巻58号》2003年12月]p.22の「違反の経済学」にヒントを得て、筆者が命名

【編注2】「食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための対応について(廃棄物・リサイクル関係)」環境省、2016年3月14日

【編注3】消費者庁「廃棄食品の不正流通に対する消費者庁の対応について」2016年2月26日

【編注4】岐阜県発表資料「食品衛生上の問題が危惧される食品の流通調査について」2016年3月10日

【編注5】公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター。廃棄物処理法13条の2に基づき環境大臣が全国で1つ指定

【編注6】「電子マニフェスト導入のメリット」JWNET日本産業廃棄物処理振興センター

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト

1945年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒。養鶏業界紙記者、市場調査会社などを経て、フリーに。現在、農業・食品ジャーナリスト

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