ビジネスジャーナル > 企業ニュース > ちょい飲み、異例の長いブームの秘密  > 3ページ目
NEW
橋本之克「カモられない!コミュニケーション」

ちょい飲み、異例の長いブームの裏にスゴい秘密…「安い印象」与えるメニューの仕掛け

文=橋本之克/アサツーディ・ケイ シニアプランニングディレクター

あらゆる消費はリスクと隣合わせ?

 あまりいわれていないことだが、「あらゆる消費はリスクと隣合わせである」と筆者は考えている。

 商品やサービスが世に溢れる現在では、すべての良し悪しを検討することは不可能だ。従って「ハズす」可能性は必ず残される。残るはこのリスクを避けるか、受け入れるかの判断だ。通常、不況下ではリスクを避ける意識が高まる。

 外食の場合、飲むのが好きな人は、期待を裏切られる可能性があっても、他にない味や雰囲気を求めてさまざまな飲食店へ行く。これは、本人は意識していなくとも「リスク」を伴う行動だ。懐に余裕がある人や、飲食での支払い額を気にしない人は、このリスクを受け入れる。従ってちょい飲みには、さほど魅かれないだろう。

 しかし、世の大多数はそうではない。懐にリスクを許容する余裕はないのだ。従って今後も、世の景気が上向いて、中流から下流までがそれを実感できるようになるまでは、リスク回避によるちょい飲み人気は続く可能性が高い。
(文=橋本之克/アサツーディ・ケイ シニアプランニングディレクター)

【参考文献】
『リスクにあなたは騙される』ダン・ガードナー著(早川書房)
『モノは感情に売れ!』橋本之克著(PHP研究所)
 http://news.yahoo.co.jp/pickup/6197370

橋本之克/アサツーディ・ケイ 不動産エネルギー カテゴリーチーム・リーダー

橋本之克/アサツーディ・ケイ 不動産エネルギー カテゴリーチーム・リーダー

日本総合研究所を経てアサツーディ・ケイ入社。消費財から金融・不動産・環境エネルギーまで幅広く、マーケティング調査や戦略プランニングを行う。主な著作は『9割の人間は行動経済学のカモである』(経済界)

ちょい飲み、異例の長いブームの裏にスゴい秘密…「安い印象」与えるメニューの仕掛けのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!