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2023.07.03 01:52
2016.05.12 00:14
前川修満「会計士に隠しごとはできない」
三菱自、現状のままの存続困難…倒産や他社の傘下入り等は必至、1千億円規模の赤字
野村証券は、こうしたガソリン代やエコカー減税の補償だけでも費用は計425億~1040億円にのぼると試算しています(産経新聞)。
それほどまでにこの事件は、三菱自の屋台骨をぐらつかせるほどの大事件なのです。しかも、この不正は1991年から行われていたことがわかっています。それだけでなく、2004年には、ふそうトラックのタイヤ脱落事故捜査に端を発し、リコール隠しと「ヤミ改修」が発覚したこともありました。そういうこともあって現在、三菱自の経営は厳しい批判にさらされています。
ですから筆者は、三菱自はこのままでは必ず経営が行き詰まるとともに、けっして遠くない将来において、なにがしか大きな組織の改編を示す出来事が起きると予想しています。
たとえば、シャープが台湾・鴻海精密工業の傘下に入ったように、資金力のあるスポンサーの傘下に入り、抜本的に再スタートを切るという出来事かもしれません。あるいは会社更生法や民事再生法などの申請かもしれませんし、吸収合併かもしれません。
いずれにせよ、この事件で三菱自のこれまでの経営は完全に否定され、抜本的な組織再編を余儀なくされるに相違ありません。それほどまでに、顧客の支持を失う行為は会社を破滅に追い込むと、この事件は雄弁に物語っているのです。
(文=前川修満/公認会計士・税理士、アスト税理士法人代表)
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