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すでに大都市ではマンションの老朽化と管理不全に危機感を抱き始めており、東京都は今年3月に「良質なマンションストックの形成促進計画」を策定した。今後10年間の目標として、(1)管理組合による自主的かつ適正な維持管理の促進、(2)管理状況の実態把握と管理不全の予防・改善、(3)管理の良好なマンションが適正に評価される市場の形成、(4)マンションの状況に応じた適切な再生手法を選択できる環境の整備などを掲げている。主な施策としては、マンションの「基本情報登録制度」「管理状況報告制度」を創設し、それぞれ25年度末に80%以上の登録率、報告率とすることを目指している。
しかしおそらくは、登録するのは管理組合がしっかりしているマンションで、管理組合が機能していないマンションの登録は望めない。スラム化し危険な状況になる老朽化物件が出てくるのは、こうした仕組みができても避けられない。未然の防止策を講じたとしても、行政は早晩、マンション解体の問題に正面から向き合う必要に迫られていく可能性が高い。
(文=米山秀隆/富士通総研上席主任研究員)
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