スポーツ好きのための専門チャンネル、臨場感ハンパない!あらゆるスポーツのライブ見放題
高校時代はラグビー選手だった矢野アナは、本当に緊迫した場面では視聴者がテレビ画面のプレーに集中できるよう、あまり多くを語らなかった。それもあってか、視聴者は好意的に受けとめ、ネットでは「神実況」などと絶賛された。
スポーツ放送における視聴者の要求(消費者ニーズ)はさまざまだ。世界の舞台で戦う日本人選手を応援したい半面、思うように活躍できないと注目度も低くなる。期待された日本代表の五郎丸歩選手の海外挑戦も1年目は不完全燃焼に終わった。
「確かにそうした一面はありますが、いい時も悪い時も伝え続け、日本選手や日本代表が勝利した時に、放送で『何ができたか』『何ができるか』が勝負だと考えています」(同)
こうした地道な姿勢で、J SPORTSは固定視聴者の獲得につなげてきた。
こだわりはライブ放送と、周辺情報の紹介
J SPORTSの強みは、スポーツに特化し、かつ4チャンネルを持つ放送網だ。それが映画なども手がける競合局との差別化となっている。その特徴を生かし、日本のプロ野球、米大リーグ、サッカー、ラグビー、サイクルロードレース、モータースポーツ、フィギュアスケートなど、さまざまなスポーツを放送する。
特にライブ放送が多く、15年度は4つのチャンネル累計で5205時間がライブ放送だったという。1日に換算すると14時間以上になる。
「基本姿勢は『コア視聴者層が望む放送を提供する』ことで、その象徴がライブ放送です。時差の関係で日本では視聴時間帯が深夜や早朝となる番組もありますが、結果が読めない展開で、ハラハラ感やドキドキ感のあるライブ放送にはこだわっています」(同)
かつて地上波がプロ野球中継を独占していた時代、試合終了まで伝えられずに尻切れ放送となることに視聴者の不満は高まった。その不満が、試合開始から終了まで完全中継するBS局やCS局の有料放送に視聴者が流れる一因となった。現在はさらに視聴者の好みが多様化しており、各局がさまざまなスポーツを深掘りして放送している。
たとえば、7月に開催される自転車競技のツール・ド・フランスは、100年以上の歴史を持つ一大イベントだ。レースは距離にして約3300km、高低差2000m以上という起伏に富んだコースを走り、フランスを中心に英国やイタリア、スペインなど周辺国も舞台となる。
J SPORTSは、この競技を長年にわたり放送しており、今年も7月2日から24日までの全レースをライブ放送する。今年は開幕直前の各チームのプレゼンテーション中継も行った。