スポーツ好きのための専門チャンネル、臨場感ハンパない!あらゆるスポーツのライブ見放題
もうひとつの同社のこだわりは、周辺情報だ。これはサッカーやラグビーなどの試合中に画面に示す試合関連データもあれば、競技特有の関連情報もある。ツール・ド・フランスの中継では、レース場所周辺の名所・旧跡も掘り下げて紹介してきた。
「周辺には世界遺産も多いので、毎年、上空から撮影した景色も紹介して解説しています。そのため、紀行番組として楽しまれる視聴者も多く、お客様相談窓口には『その場所にいるような臨場感がある』という声も寄せられています」(同)
視聴者の行動も熱い。以前に都内の特設会場で同大会のパブリックビューイングを開催した際は、会場に愛用の自転車で来る視聴者が続出し、終電後まで観戦して愛車で帰宅したという。
異業種の参入で「スポーツ配信」が激化
現在J SPORTSは、「スカパー!」のサービス経由であれば、4チャンネルセット月額2469円(税込)で視聴できる。総契約件数は約680万8000件、うち約576万2000件はケーブルテレビ局経由で視聴可能な世帯数となっている(4月末現在)。
だが、この数字は安泰ではない。有料放送は、価格に見合う価値を打ち出さないと、視聴者は契約を解消してしまうからだ。同局もプロ野球の放映権を一部失い、そのチームを愛する視聴者を減らした時期がある。
また、「オンデマンド」と呼ばれるインターネット上の有料配信サービスもある。各テレビ局も力を入れてきた事業だが、最近は異業種からも参入している。
今年になって、ソフトバンクが「スポナビライブ」という配信サービスを始めた。スポーツ放送をスマートフォンやタブレットで視聴できるもので、ソフトバンクの携帯電話契約者は、通常の月額情報料3000円のところ同500円で利用できることを大々的に宣伝している。
ほかにも外資系のデジタルメディア企業である英パフォームが運営する「eプレイヤー」も同様のサービスを展開しており、同社はサッカー「Jリーグの来季の放映権獲得先」として報じられた。同社とNTTドコモが提携するのではないかという声もある。
競合が相次いで参入する状況だが、J SPORTS側はこんな意識を持っている。
「スポーツ放送に注目が集まる良い機会だと思っています。もちろん視聴者獲得の競争は激しくなりますが、注目されないと広告価値も高まりません。プロ野球やサッカーに例えれば、チーム同士は競い合うがリーグとしては共存共栄をめざす姿勢です」(同)