有名企業に勤めていない人が転職によって良い機会を得るためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
ウルトラCはなく、自分なりのストーリーを語れる仕事の機会を現在勤める会社内に求めたり、社外に「この会社と一緒に仕事をしてみたい」という相手がいれば、がんばってそんな会社との仕事をつくったりするなどして経験を積み上げていくしかありません。中小企業の社員が大手企業の社員に勝てることは、仕事上の自由度であったり、それを通じた機会と経験の獲得であったりします。規模やカネでは取れない価値を取りにいって、その経験によってさまざまなことを自分の言葉で語れるようになっておくことです。そうした経験を地道に積んでいき、それを評価してくれる会社や人にめぐり合うしかないというのが著者の見解です。
しかし、なかなかそういう機会にめぐり合うのは難しく、めぐり合ったとしても、いろいろな壁を感じることもあるでしょう。それでも、くじけずに努力することが肝要です。
とにかく数を撃ち続ける
転職回数が多い人を「いい加減な人」ととらえる人もいれば、「アグレッシブでいいね」ととらえる人もいますが、後者は少数派です。日本人はひとつの組織に長くいなかった人に対してネガティブな印象を抱く傾向が強いので、それを理解してめげないことが大切です。
また、組織を動かすためにトップに直談判する人を「組織のルールを守れない危険な奴だ」ととらえる人もいれば、「意志が強くて行動力がある」ととらえる人もいます。これも、後者は少数派です。非正規雇用の期間が長い人に対し、職業経験としてあまり認めない会社もあれば、地道にコツコツと組織に順応して継続できる適性があるととらえる会社もあります。
著者が以前経営していた会社で、企業勤務経験がまったくない20代後半の方を採用したことがありました。その方はずっとあるスポーツをやっていたものの、怪我により断念せざるを得なくなったという事情がありました。話していてとても熱意を感じたのと、スポーツを通じて感じたことを論理的に話されたので、1名の事務職の募集に対して100名近い応募者がいたなかからその方を選びました。