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玩具メーカーのレガシー戦略
こうしたレガシーを生かした販売戦略を打ち出しているのは、バンダイばかりではない。同じく玩具メーカーの老舗・タカラトミーも同様だ。
同社は「トミカ」「プラレール」といった男児向け玩具、「リカちゃん」といった女児向け玩具で知られる。1959年に発売開始された「プラレール」は、57年間「青いレール」を走る列車のオモチャとして不動の人気を博しているが、11年には「大人も楽しめる『プラレール』」をコンセプトにした「プラレールアドバンス」を発売。発売5周年で累計130万個を突破するヒット商品に成長した。
さらに進化し、今年はレイアウト内の車両同士を連動させる「アドバンスリンクシステム」をリリース。子供でも遊べる単純なシステムでありながら、プラスαの要素を加えることで大人でも楽しめる玩具になっている。
エポック社も「野球盤」「シルバニアファミリー」といった定番で大人たちをガッチリつかみつつ、モデルチェンジを施すことで、古臭さを感じさせずに現代の子供たちを虜にする。
新興の玩具メーカーからは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といった最新技術を盛り込んだ玩具もリリースされている。しかし、そうした新技術を盛り込んだオモチャの売れ行きは、老舗玩具メーカーのオモチャと比べると、決して好調とはいえない。
「親は自分が遊び慣れた玩具を買い与える傾向にあります。そのため老舗メーカーの玩具は強い。そうした老舗の定番商品が、結果として業界全体の売上を伸ばしているのです」(業界関係者)
レガシーを活用した老舗メーカーの販売戦略は、今のところ堅調だ。そして、大手メーカーの勢いを頼りに、玩具業界全体が活性化している。その勢いに、陰りはまだ見えない。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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