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福原氏の社長としての第一声は「創業者は不易と流行の区別を付ける」だった。福武氏の言葉を繰り返し引用した。つまり、「原点回帰」である。
ベネッセHDは長らくダイレクトメール(DM)を使ったマーケティングを得意としてきた。それを支えた何千万人もの顧客リストはベネッセHDの財産であり、進研ゼミやこどもちゃれんじの顧客を毎年、大量に獲得する原動力となってきた。
原田氏はDM頼りの営業からの脱却を進めたが、うまく行かなかった。社長を更迭したベネッセHDは方針を大転換し、DM依存に逆戻りした。使い古され効果が薄れてきたといわれる、名簿を使った旧来のDM手法に逆戻りせざるを得ないほど、経営は深刻な状態にあるということだ。
中国版「こどもちゃれんじ」
一方で、明るい材料もある。それは中国事業だ。こどもちゃれんじに相当する「楽智小天地」が好調なのだ。現地に強力なライバルがいないこともあるが、キャラクターの「巧虎(チャオフー)」が人気に火をつけた。チャオフーは、ベネッセHDの看板キャラクター、しまじろうの中国語名だ。
チャオフー効果で楽智小天地の会員数は16年夏には100万人を超え、こどもちゃれんじの会員数74万人を上回った。DMではなくショップを拠点に新規会員を獲得しており、15年末時点で6箇所の営業拠点を、17年末までに24箇所に拡大する。
中国の楽智小天地が大半を占める海外事業の16年4~6月期の売上高は前年同期比9%増の68億円、営業利益は36%増の8億4200万円。国内事業が停滞を続けるなか、楽智小天地がベネッセHDの救世主となれるのか注目される。
(文=編集部)
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