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東京ガスに大量顧客流出の東電、ガス参入で東京ガスへの逆襲始動…泥沼戦争突入へ

文=編集部
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 エネットは00年7月、東京ガス、大阪ガス、NTTファシリティーズが共同出資して設立。新電力事業者としては15年連続でトップシェアである。家庭向け電力自由化前に、すでに新電力のシェアの41%を持っていた。

大口需要家の動きが目立つ

 マンション管理会社の東急コミュニティーはエネットと提携し、低圧電力契約のマンション共用部分を対象に、電気を安く提供する電力小売りサービスを8月15日から開始した。

 東急コミュニティーグループが管理するマンションのうち3000組合を対象に、エネットが供給する電力を、東急コミュニティーが取次業者となって販売する。

 コンビニエンスストアチェーン大手のローソンは、東京電力管内3000店の電力契約を新電力に切り替える。三菱商事と共同で設立したMCリテールエナジーが9月から順次電気を供給し、電気代は年間で数億円減るとしている。ローソン全店舗の電気使用量は年5億キロワット時で、これは一般家庭の約15万件分に相当する。

 コンビニ業界では9月1日にファミリマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合し、ローソンは店舗数で業界2位から3位に転落した。そこで電気料金を見直し、加盟店の経営を支える方針だ。他地域でも大手電力から新電力への切り替えを進める。

 10月25日に東京証券取引所に新規上場を予定している九州旅客鉄道(JR九州)は、在来線の駅舎や運転士が詰める小規模事務所など計3800カ所うち1000カ所の電力について、九州電力から新電力に切り替える。

 契約を切り替えるのは、いずれも一般の家庭用と同じ契約電力50キロワット未満の低圧電力の施設だ。電力を供給するのは、福岡県みやま市が中心となり設立した、みやまスマートエネルギーと、ハウステンボス子会社のHTBエナジー、建設・不動産業者である南和の新電力部門が独立したナンワエナジーの3社だ。

 JR九州の青柳俊彦社長は、電車を動かす電気や新幹線の駅など、契約電力が50万キロワット以上の高圧電力を使う施設について、「キャパシティー(容量)の大きな新電力があれば(変更を)考える」と述べ、九州電力からの切り替えを排除しない考えを示した。

 JR九州の電気代は年間100億円程度。株式上場する同社にとって、コスト削減は重要な課題だ。低電圧の切り替えによる電気代の節約は年間数千万円程度だが、高圧電力を切り替えれば同数十億円のコスト削減になる。

BusinessJournal編集部

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