“カバンに入る電気自動車”という触れ込みの「WALKCAR(ウォーカー)」(ココアモーターズ)の予約受付が、10月21日より開始された。ノートPCに車輪がついたような形状のWALKCARは、セグウェイを筆頭とする、これまでに登場した電動モビリティ(超小型の乗り物)の常識を大きく覆しそうな画期的な乗り物だ。
公式サイトを見てみると、WALKCARに乗った若者が渋谷の街を自在に走る動画が公開されているが、果たして、そのような姿が実現できるかというと限りなく疑問である。
野放しにされている“ミニセグウェイ”、セグウェイとは無関係
2001年にアメリカで搭乗型移動支援ロボット「セグウェイ」が発売(日本での発売は06年)されて以降、電動スケートボード、電動キックボード、ミニセグウェイ(俗称)など、世界中でさまざまな電動モビリティが開発されてきた。アメリカやヨーロッパ(イギリスを除く)、中国などではこうした電動モビリティに乗って颯爽と移動する若者の姿を頻繁に目にすることができる。
そんななか、トヨタ自動車も、セグウェイによく似たパーソナルモビリティロボット「ウィングレット」を開発、16年3月から公道走行実証実験をスタートさせている。しかし、日本では現在、これらすべての乗り物は、公道での走行が禁止されており、世界の波から取り残されている感は否めない。これは、日本の道路交通法上では、保安基準を満たし車両登録を行ってナンバープレートを取得することができなければ公道での走行は認められないからだ。
国土交通省は15年4月に、同年7月からセグウェイを含む搭乗型移動支援ロボットを公道で走れるようにすると発表していたはずだが、この話は頓挫してしまったのだろうか。
「頓挫したわけではなく、ちゃんと法律は変わりました。私どものセグウェイに関していえば、これまで公道での走行は、構造改革特区法(特別地域法)によってセグウェイに許された“特区”のみでしか行えなかったのが、昨年7月より全国展開が可能になり、通常法のもとでセグウェイの実験を行って良いことになりました。とはいえ、一般ユーザーが誰でも自由に乗っていいわけではなく、警察と国交省に届出をし、きちんと安全が確認されたロボットで、決められたルールの管理下で実験を行うというものです。こうしたかたちで正式な実験をしているのは、立ち乗りの乗り物では、私どもとトヨタさんの『ウィングレット』だけです」(セグウェイジャパン広報部)