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地銀の悲哀~リスク回避最優先の宿命
地銀側としては、長年の不良債権問題を乗り越える際に、徹底したリスク回避を植え付けられた。ちょうど、今の課長クラスは、ひたすら耐えた世代。担保主義をやめて融資をしろ、目利きがあれば問題ないと指摘されても、そもそもそうした教育をはじめから受けていないのだ。例えば、シンジケートローンを組成しようとしても対応できる人間がいない。メガバンクに協力を頼めば顧客を奪われる可能性もあり、痛しかゆしの状況が続いている。
こうしたなか、外資系出身者が多く、投資銀行業務が主力の東京スター銀行は、地銀向けにシンジケートローンの組成支援業務を始めると報じられた。共同組成やサポートを受ければ自行の取り分は減るが、収益が減っても頼らざるを得ない苦境が垣間見える。金融庁にいくら発破をかけられようが、銀行の経営自体、長期を見据えれば余裕があるわけでない。おのずと経営は「守り」一辺倒になる。
影響を受けるのは、地域の中堅中小企業だ。
「金融機関の体力低下が進み、中小企業への貸し出し機能が低下していくのではないか」(関東地方の製造業社長)
黒田日銀が金融政策の枠組み変更で短期決戦から持久戦に大きく舵を切ったなか、総裁任期の18年4月までに状況が変わる可能性は高い。耐えがたきを耐えられるか。地銀にとっては長い冬が続く。
(文=編集部)
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