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ちなみに契約書によると、業務内容は「政府広報コミュニケーション戦略の構築」や新聞広告、テレビCM、バーナー広告の制作・掲載などである。これらのPR活動の費用として約6701万円という額を契約していながら、実際の請求は20億円を超えているのだ。
確かに請求額が契約額を上回ることはある。しかし、ここで指摘しているケースのように、契約額の約30倍にも達しているケースは稀である。かりに契約価格を請求額が上回るのであれば、受注元(今回は博報堂)が契約外の業務を行うに先立って見積書を発行して、内閣府の承諾を得るのが一般的である。
筆者はこの点について内閣府に問い合わせたところ、やはり見積書は存在しないことがわかった。「博報堂とは口頭とメモでやりとりしていた」というのが内閣府の説明だ。
では、なぜテレビCMに関する金額が黒塗りになっているのか、請求額が契約額の約30倍にも膨れ上がった理由はなんなのか、そしてなぜ請求書に発行日付の記載がないのか――。内閣府大臣官房政府広報室は、当サイトの取材に対し次のような回答を寄せた。
「御質問のあった件については、そもそも誰が行政文書開示請求を行ったかという事自体が個人情報に当たり利用目的以外に使用できないことから、当該請求の有無も含めて回答は差し控えさせていただきたい。なお、当室では会計法令に則って契約を行っていること、また、開示請求に対しては、法令に基づき、不開示情報に該当するもの以外については開示していることを申し添える」
筆者は現在、内閣府に対して他年度についても博報堂に関連した契約書と請求書を公開するように情報公開手続きを取っている。
(文=黒薮哲哉/「メディア黒書」主宰者)
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