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GMにしてみれば、独VWと販売トップの座を争う中国市場と、ドナルド・トランプ政権下で投資増を強いられることになる米国に経営資源を集中したいところだ。欧州事業の売却によって得た資金は、自動運転車など次世代技術への投資に充当する考えだ。
GMはPSAと12年2月に資本・業務提携し、PSAに対して7%出資した。だが、PSAは仏政府や中国・東風汽車集団の支援を受けたことからGMとの資本提携を取り止め、欧州での小型車開発など業務面での提携に限定してきた。そんなPSAが今回、GMから欧州事業を買収することを検討しているのだ。
対する日産・ルノー・三菱自グループは、16年の世界販売台数が15年比で17%増え、996万1347台になった。16年10月に日産が34%出資した三菱自が連合に加わったため、伸び率が大きくなったようにみえる。会社別の内訳は、日産が2.5%増の555万9902台と過去最高で、ルノーは13%増の318万2625台、三菱自は13%減の93万4013台だった。
そんな日産・ルノー・三菱自グループの主力商品はEV(電気自動車)だ。ゴーン氏はEVをエコカー(環境車)の本命と位置づけ、その開発に5000億円を投入して10年12月に世界初のEV「リーフ」を日米で同時発売した。
だが、日産・ルノー・三菱自グループ全体の16年のEV販売台数は、8%増の9万4265台だった。これは、三菱自の「アイ・ミーブ」シリーズを含めての販売台数だ。
日産は16年末までにリーフを「25万台以上を販売している」と、EV先駆者としての実績を誇るが、6年間で25万台ということは年平均で4万台強だ。日産・ルノー・三菱自グループのEV累計販売台数は、16年末で42万4797台。EVは日産の“戦略カー”のはずだが、苦戦は明らかである。
(文=編集部)
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