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世の中には広告予算が大きい商品が存在する。そしてそのような商品を求めるユーザーが反応するキーワードがある。たとえば「ヘルニア」とか「薄毛」とか、なんらかの悩みに直結する言葉がそれに該当する。その言葉に直結する記事をたくさん集め、検索サイトで上位に表示されるようにすれば、たくさんのクリックを集めることができる。
広告主がメディアを選ぶ基準は、クリックの効率がいいメディアにたくさん出稿することなので、たとえば「ヘルニアの症状を改善したいと思う人が飲むサプリ」を販売している健康食品会社は、「ヘルニア」というキーワードでたくさんのクリックを集められるページに優先して広告を出す。
そのようなメカニズムが働いて、結局、一般のネットメディアよりもWELQははるかに多数の広告売上を集めることができたのだ。
そこでWELQ騒動が起きた。今、何が起こっているかというと、そういった広告主たちが広告を出すことができるメディアが少なくなってしまったことで、パニックになっているのだ。そのため今、メディアには巨大な空白地帯ができている。
WELQの穴を埋める
広告代理店からそういった事情を耳打ちされたメディアの経営企画部は、水面下でWELQと同じビジネスモデルを“WELQの代わりに”自社でできないか検討を始めている。そして、それは結論からいえばできるのだ。
広告主が買いたい「売れ筋の広告キーワード」を大量にピックアップする。ネットメディアであればそれらのキーワードのうち、自分のメディアに合致したものだけを選別する。そして契約するライターに、「今週はヘルニアの記事を書いてください」とか「バージンオリーブオイルが健康にいいという記事を書いてください」と割り振るのだ。
そして記事を編集する際にSEO技術を駆使して、その記事が「ヘルニア」の検索上位に出てくるように努力する。そうすることでWELQの穴を埋めることができるようになる。
マスメディアの現場では、誰もそんなことをしたいとは思っていない。しかしメディアとはおもしろいもので、現場はやたらと主義主張や理想論にうるさいのだが、首根っこと財布を抑えている経営側は意外と金にドライである。
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