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甘利=新浪コンビの仕掛けは効を奏した。賃上げの流れを決定づけたのはトヨタ自動車だった。豊田章男社長は3月14日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相に「春闘でボーナスを満額回答した」と報告した。トヨタは組合の要求通り「年額一時金205万円」と満額回答した。一企業のトップが春闘の報告を首相にすることなど、今まで聞いたことがない。トヨタは「(政府の賃上げの要請が)満額回答の重要な判断要素になった」(宮崎直樹常務役員)と認めている。
アベノミクスで円安が急激に進んだ。業績改善の恩恵を最も受けたのが自動車業界である。安倍政権の賃上げ要請に応えることで、メーカー各社がエールを送る格好になった。
政府の異例ともいえる賃上げ介入は、労使双方に問題を残した。賃上げは経営の根幹に関わることだ。経営は経営者の自己責任である。経営に責任をもたない政府関係者の言うことをいちいち聞いていたら経営などできない。
久々に明るい回答が相次いだ今年の春闘だが、労組の頭越しに政府が介入して賃上げが決まったため、年々影が薄くなっていた連合の存在意義が、まったく失われた。
(文=編集部)
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