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なぜ「泣く泣く」なのかも解説しておくと、仕事で数カ月に一度、ニューヨークは必ず出張に出かけているのだ。なので、ニューヨーク市内観光も、ニューヨークリブステーキも、どちらもかなり飽きがきている。ただ逆にいえば、それだけニューヨークに出かけている者の立場でこのVR体験を評価できるので、取材的には一番良い行き先を選んだともいえる。
これはかなり良い体験である
実際に体験をしてみてどうだったのか。全般的に「実に楽しかった」というのが、まずはの感想。後で詳しく解説したいのだが、注目のVR体験だが、確かに画質は現時点ではいまひとつ粗い。また時間が10分程度と物足りないといえば物足りない。
とはいえ、ニューヨークに頻繁に出かける立場でいえば、実際にニューヨークに行って体験できるのは、ほぼこんな感じで間違いない。往復26時間かけて出かけるよりも、池袋まで電車で6分で同じ体験ができると考えれば、これはかなり良い体験である。
そしてもうひとつの楽しみの機内食だが、これは実によくできている。施設内に大規模な厨房は見当たらないことから、近所の本格的なお店からケータリングで持ち込んでいるのだろうか。いずれにしても、ニューヨークの有名店と比較してそん色のない食事が提供されている。
代替財
さて、経済コラムとしてはここから本題に入らせていただきたい。現状でもここまで良いVR海外旅行体験ができるとすれば、これから先、さらに内容が充実した場合に、いったいどこまで仮想旅行体験は進化するのだろうか。そしてそのとき、リアルな海外旅行需要は減少していくのだろうか、それとも逆に増えるのだろうか。
すでに述べたように、今回体験したVRは時間も10分と限られているし、画像解像度はかなり粗い状態のものだった。もしこのまま技術が進化すればハイビジョン上の4K画像を提供することも可能だろうし、10分ではなく2時間でも8時間でも仮想旅行コンテンツを用意することは可能である。
しかし、そのようなサービスが登場して、それが本物のニューヨーク旅行体験とまったく遜色のないものだったとしたら、われわれはわざわざ往復26時間かけてニューヨークに出かける必要があるだろうか。
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