神戸市は9月26日、関西国際空港(関空)と大阪国際空港(伊丹)を運営するオリックス陣営と、神戸空港の運営権売却(コンセッション)に関する実施契約を結んだ。神戸空港は2018年4月に民営化され、オリックス陣営のもとで関空、伊丹と合わせた関西3空港の一体運営が始まる。
神戸市と契約を結んだ関西エアポート神戸は、仏空港運営大手のバンシ・エアポートとオリックスの共同出資会社である関西エアポートの100%子会社。関西エアポート神戸が神戸空港の運営権を191億4000万円で取得し、42年間運営する。
新関西国際空港(新関空)は16年4月、大型空港の民営化第1号として運営を開始した。オリックスとバンシ・エアポートの企業連合が、関西エアポートを設立。関西エアポートは関空と伊丹を連係して運営している。
新関空は、関西エアポートから44年間にわたり、年間490億円、総額2兆2000億円の運営権料を受け取り、巨額負債の返済に充てる。
関西エアポートの最初の1年(16年4月~17年3月)の売上高は1802億円、最終利益169億円だった。売上高は以前の経営体の時に比べて3%増えた。格安航空会社(LCC)の増便で訪日観光客が増えたことが寄与した。空港民営化ビジネスはまずまずの滑り出しとなった。
仙台空港は、国が管理していた空港の運営権売却の第1号案件で、16年7月に完全民営化された。東京急行電鉄や東急不動産など東急グループが54%出資する仙台国際空港会社が運営する。30年間に341億円を投じる。
仙台国際空港の初年度にあたる17年3月期の連結決算は売上高45億円、営業利益は9900万円の赤字、最終利益は800万円の赤字だった。法人としては2期目で1期目は売り上げゼロ。開業費負担が重く4億5000万円の繰越赤字を抱えているが、早急に黒字に転換するとしている。
福岡空港の民営化は2000億円のプロジェクト
空港の民営化案件は目白押しだ。
国土交通省は10月1日、民営化される高松空港の運営権売却契約を三菱地所や大成建設などの企業連合が設立した高松空港会社と結んだ。契約期間は原則15年間で最長55年間延長できる。高松空港会社は運営権の購入代金として国に50億円支払う。