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就活生は企業のどこを見ているのか?嫌われる企業の共通点

構成=長井雄一朗/ライター
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就活生が嫌う「ワンマン社長」「ストレス」

――今回の調査では、14年卒から18年卒までの経年比較があります。そこで注目すべき点はなんでしょうか。

岡崎 経営スタイルの面で「安定し、確実な事業成長を目指している」「現場社員主導で事業運営が行われている」への支持が増えています。よく「大手志向」といわれますが、もっと踏み込んで分析すれば「安全志向」が高まったというべきでしょう。

 ちなみに、ワンマン社長にありがちな「経営者主導で事業運営が行われている」への支持は大幅に減少しました。

――中小同族企業のなかには、「会社は家族であり、社長は父であり、社員は息子」「息子は親の言うことに絶対に従え」と忠誠を誓う会社もありますが、そういう会社は採用が厳しくなるということでしょうか。

岡崎 「会社は家族」という考え自体に若者たちが背を向けているわけではないと思います。ただ、調査結果を踏まえると、経営者主導の経営には支持が集まりません。

 それは、これまで受けてきた教育の影響も考えられます。今の就活生は、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育む、いわゆる「総合的な学習の時間」の導入以降に小学校に入学した世代です。先生との関係も、必ずしも上下一辺倒ではないスタイルが広がりました。

 ベンチャー企業のなかには、社長と社員は“親子関係”ではなく“お友達感覚”で、共同経営のスタイルを採用する会社もあります。また、フリーアドレス制度を採用して、社長のデスクすら位置が決まっていない会社もあります。そういったスタイルの会社のほうがなじみやすいのでしょう。

――ワンマン社長の会社は「短期で成長できるが、体力的・精神的にストレスが大きい」というケースが多いですが、就活生からは支持されないということですね。

岡崎 これは、今後の人生設計にもかかわることです。長寿命化している今、70~75歳まで働く社会が来ることを就活生たちは予見しています。そのため、「短期で成長できたとしても、精神的なストレスが重ければ、早々に息切れしてしまうからナンセンスだ」と感じるのでしょう。この傾向は、2018年卒のデータでさらに顕著になりました。

 関連して、ワークスタイルについても「仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」の支持が圧倒的に増えています。男女問わず、「生活の基盤は自分でつくる」という覚悟が前提にあるのではないでしょうか。

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