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ブライトバートとは何か
ブライトバートは、アメリカの右派系ニュースサイトである。ニューヨーク・タイムズなどの一般メディアからは、フェイクニュースの温床であり、差別主義的な記事を発信しているとよく指摘される。
2005年にアンドリュー・ブライトバート氏がサイトを立ち上げ、12年にはバノン氏を雇い入れ、動画にも力を入れた。ブライトバート氏は12年に亡くなった。それまではまとめサイト的なつくり方をしていたが、以降、独自記事中心のサイトづくりに変化させていった。
ブライトバートが読まれるようになるにつれて米国では右傾化が進行し、トランプ躍進の原動力となった。日本には、米国の「バズフィード」や「ハフィントン・ポスト」が進出してきており、ほかにもさまざまなニュースサイトが生まれ、多くの人に読まれている。
一方で、まとめサイトが右寄りの論調をつくり出し、「日本文化チャンネル桜」などの右派系動画サイトも影響力を持つようになっている。また、既存メディアでは産経新聞のニュースサイトが右派的な論調を強く押し出し、記事が無料で読めることから、ナショナリズムが広まりやすい状況になっている。
こうした状況のなかでブライトバート日本版ができることは、日本のネットの論調がさらに右に傾くことになり、非常に危険であると筆者は考える。米国の右派は、人種差別主義的な主張を前面に押し出しており、その主張のなかには外国人に冷たい日本を高く評価しているものもある。ブライトバート日本版は、すでに動きだしている。ただし、今後のブライトバートとトランプ政権の関係、それにともなう本国でのブライトバートの経営状況の変化によっては、計画が頓挫してしまう可能性もある。
(文=小林拓矢/フリーライター)
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