中小企業経営者の幸福を創出するM&A事業とは?株式会社FUNDBOOKが目指す未来
現在の日本には、こうした数字だけを追ったM&Aの統計やM&A後、PMI(Post Merger Integration/M&A成立後の経営統合における過程や各種作業)を行ったかどうかを可視化した統計がありません。わかりやすくいえば、「ヤフオク!」の評価のようなものですね。
あるアメリカの企業では、買収の交渉チームと買収をした後に引き受けるチームが違うのですが、後者には明確なミッションが与えられていて、プラットフォームによって買収後の成績が管理されています。従業員の維持率、雇用、満足度、シナジー指標。それらの統計をきっちりと可視化する仕組みがあるのです。
お金目当てでいい加減な買収をすると、評価は下がるし中長期的に見たときに損害が出るので、「いかにPMIをコミットさせるか」という目標を、役員であるボードメンバーが持っているのです。海外にはそういったPMIを重視した組織体制があるのですが、日本にはまだまだそうした組織体制はありません。
私たち株式会社FUNDBOOKでも、数字だけを追ったM&Aではなく、譲渡企業側と譲受企業側の双方にとって理想的な相手とM&Aが行える場を、みなさまに提供していきたいと考えています。
引退する経営者にとっての幸せとは何か?
――今のお話のなかで、M&A成立後に経営者や従業員が幸せになることが大切だという言葉がありましたが、経営者にとっての幸せとはどのようなものだとお考えですか?
畑野 人によって違いますが、私の場合は、会社を譲渡して自分の本当にやりたいと思った事業をスタートさせられたということが、ひとつの幸せでした。
M&Aで引退する方にとっても幸せの形はそれぞれ違うと思いますが、今まで仕事が忙しすぎて何をするにしても時間をつくれなかった方は大勢いらっしゃると思います。そういったがんばってきた経営者の方々が、家族と一緒に過ごしたり趣味に没頭したり、それまでできなかったことを自由にできるお金と時間を得られるというのは、幸せにつながることなのではないかと思います。
実は、M&Aが成立した後も「会社にかかわりたい」「社長を継続したい」という方は全体の6割くらいいらっしゃいます。リスクに備えてM&Aを行い、万が一何かが起こっても、自分の家族や従業員が守られている。このように不安要素がなくなるということも、継続して経営をされる方にとっては、やはり幸せなことだと思います。
経営者というのは最悪のケースを想定する生き物なので、それがほとんどゼロになるというのは大きなポイントだと思います。