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泣き落としで「所得0円」の申告が通った!
日本人なら誰もが知っている大手芸能事務所に所属する15年目の芸人Aさんは、税務署へ所得税の確定申告に行きました。1時間ほど並んで、職員の補助を受けながら、収支内訳書を記入します。収入300万円に対し、経費も300万円。所得金額を0円にして、確定申告書Bの記入に移ります。確定申告書Bの記入方法がわからなかったので、手を挙げて職員を呼びました。収支内訳書を確認した20代の職員は、Aさんにこう言います。
「こんなに経費があるはずがありません。生活費はどこから捻出しているんですか」
これに対し、Aさんは「毎年これでやっているんで」と言うだけ。10分ほど押し問答になりましたが、職員はあきらめて確定申告書Bの作成方法を教えてくれました。Aさんは、出来上がった確定申告書Bと収支内訳書を提出所まで持っていき、収受印をもらおうとしました。そこには、50代前半のベテラン男性職員がいました。
「あなた、これ本当? 収入に対して経費が多すぎるんだけど」
この男性のオーラに気圧されたAさんは、正直に話すことにしたそうです。
「すみません、ほんとに生活厳しくて、ほんと無理なんで、なんとかこれでいかせてください。ほんとに生活苦しくて……」
Aさんの粘り強い泣き落としにより、ベテラン男性職員は「わかった。今回はいいよ。わたしがちゃんと見たってサインしておくから。でも、来年はちゃんと申告するんだよ」と言ってサインをし、収受印を押してくれたそうです。
「ありがとうございます。来年は必ずちゃんとします」と答えたAさんに、ベテラン男性職員は、優しく微笑んでくれたそうです。
Aさんは3週間後に還付金を受け取り、その2カ月後に別の税務署の管轄エリアに引っ越しました。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)
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