消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
調査当日、事前に予約をして臨場しました。概況を聞き取り、売上を確認します。毎日の売上は卓ごとの伝票から算出し、閉店時にノートに記しているようでした。さらに、月末にノートの金額を帳簿に記帳していました。有料の飲食物の売上についても確認したところ、このノートの売上に含まれていると主張したため、「ノートに記載する前、一日の販売した飲食料品の数はどのように把握しているのか」と確認したところ、「覚えている」との回答でした。さらに、「あなたが出勤する前や帰った後はどうしているのか」と店主に確認したところ、「口頭で従業員に伝えている」とのことでした。
「それでは授業員が売上をごまかしてもわからない。商売として不可思議ではないか」と尋ねたところ、「従業員を信頼しているから」との回答だったため、ノートに記載された売上と1週間分の伝票から売上を突合し、まったく同じ金額になることを突き止めました。1週間、有料の飲食品が提供されていないとは考えづらいですが、店主は「間違っていない」と主張します。
そこで、瓶ビールの仕入を確認し、3日前と10日前にビールを20本ずつ仕入れていること、店内のビールの在庫が10本しかないことを確認し、足りないビールはどこにいったのか追求すると、ようやく飲食料品の売上を除外していたことを認めました。
さらに、アパートの支払いを地代家賃として計上しており、それについて確認すると、打ち子を雇っており、家賃は取らずに無料で住まわせているとのことだったので、こちらは源泉徴収の対象としました。
「現物給与」といって、現金をもらっていなくとも、雇用主側から経済的利益を受けた場合は給与として扱われるのです。
このように、売上を除外しても仕入を端緒に判明することがありますし、経済的利益のルールを知らないことで後から給与として課税されることもあります。常に情報を仕入れ、税務調査に負けない店づくりを心がけることをオススメします。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)
Business news pick up
RANKING
5:30更新関連記事
2024.11.22 06:00
2024.11.21 18:05
2024.11.21 18:00
2024.11.20 22:21