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アウトドア用品「スノーピーク」は日本を救う…商品永久保証&地元企業生き返らせの奇跡

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 新潟県にある企業、株式会社スノーピークアウトドア用品メーカーと見られることが多い。それは、同社の実態を正確に表していない。スノーピークは、モノづくりではなく、ブランドの育成によって成長してきた企業だ。

 スノーピークが他の企業と違うのは、製品に永久保証をつけていることだ。それは消費者にとって「スノーピークの製品は信頼できる」という安心感を与えるだろう。この安心感は、スノーピーク・ブランドに対して消費者が抱くイメージのひとつである。また、同社はグランピング(設置されたテントに家具などが据えつけられ、ホテル感覚でアウトドア活動を楽しむスタイル)の施設を運営し、新しいアウトドアライフを提唱している。気軽にアウトドア活動を楽しむ環境を整備することは、より多くの人が同社の製品の良さを実感することにつながるだろう。

 ブランドの育成のために、同社は地域の良いモノ・コトを積極的に取り入れてきた。この結果、スノーピークには地域商社としての側面もある。同社は完成品の生産を地元の企業に委託している。つまり、スノーピークは地方の特産品や資源の流通にも貢献している。同社の取り組みは、わが国の地方創生を考える上でも興味深い。

スノーピーク・ブランドはアウトドアライフ満喫のシンボル

 
 スノーピークは、マーケティング(顧客と長期的な関係を構築し、企業の成長を目指すこと)への取り組みを強化することによって成長してきた企業だといえる。なかでも、同社のブランド開発には参考とするべきところが多い。

 ブランドとは、企業と顧客が共有する認識と定義づけられる。ブランドは、企業と顧客が共感する価値観であり、企業と消費者の絆といってもよい。具体的には、ロゴ(シンボルマーク)、デザイン、キャッチコピー、顧客の持つ商品やサービスへのイメージなど、有形・無形の要素がブランドを構成する。ブランドは、企業が競合相手と自社を差別化し、顧客との長期的な信頼関係を築いていくために必要な要素である。

 スノーピークのブランディングを考える上で重要な要素が、永久保証だ。通常、家電などを買うと保証書がついている。1年間はメーカーがその性能や品質を保証する。さらに長期の保証を受けるには、一定の料金を別途支払うことが必要になる。

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