消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
「すかいらーくグループには品質保証部という部門があり、当社の品質の定義である、『食品からお客様の生命を守るあらゆる行為』を達成するための業務を行っています。(略)店舗・工場の抜打ち衛生検査、(略)そして、安全な商品をお客様へ提供するために、全国のセントラルキッチンを網羅しているのが全国8か所にある検査室です。ここでは主に、細菌検査、店舗・工場の衛生検査等を行い、お客様へ提供する食品が安全なものであるかをチェック。細菌検査は食品毎に基準値を設定するため、約170種類の検査基準があります。外部から購入する原料・製品、自社工場で製造する商品、店舗で下ごしらえする商品のそれぞれに細菌基準値を設定。また、新規導入前に行う『先行検査』、導入後に行う『抜打ち検査』、日々行う『日常検査』を検査の3本柱と呼び、毎日細菌検査を実施しています。」(同社ホームページより)
HACCPや高度な衛生管理をしていても、食材が汚染されていた場合は、食中毒を回避できない。回避のためには、食材の徹底的な検査が不可欠である。しかし、そこはコストがかかるわけで、利益を優先すれば、どうしても検査が不十分になってしまう。
さらに問題は、この中国産ウニは過去たびたび腸炎ビブリオ汚染を指摘されてきたことである。2003年には、中国産ウニが腸炎ビブリオに汚染されていたとして輸入時の検査を義務付ける命令検査の対象にされた。その後も、14年、15年と中国産ウニが命令検査対象となっていた。要するに、いわくつき危険な食材なのだ。しかし、17年と18年は、中国産ウニは命令検査の対象とはならず、ついに大規模な食中毒事件を引き起こしたのである。すかいらーくも中国産ウニのような危険な食材を取り扱う以上、食材の徹底的な検査をすべきであった。
現在、日本は食料自給率38%、6割近くを輸入に依存している。そして、政府の輸入時の輸入食品の検査率は、わずか8.4%で、9割以上が無検査で輸入されている。この問題を解決しなければ、これからも外食産業がHACCPをいくら導入しても、日本における大規模食中毒事件は、何度でも繰り返されることになりかねない。
(文=小倉正行/フリーライター)
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