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日産ゴーン逮捕「国策捜査」説も、公判維持に危惧…西川社長、ゴーン追放に検察を利用か

文=編集部
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 ゴーン氏の弁護士には、東京地検特捜部長時代に旧ライブドアの粉飾決算事件を手掛けた大鶴基成弁護士が就く。ライブドア事件は、我が物顔で振る舞うベンチャー起業家を狙い撃ちした国策捜査といわれた。

 フランスのメディアから「ブルータス」に擬せられた西川社長は“ミニ・ゴーン”と呼ばれてきたが、19日の記者会見で「カルロス・ゴーン」と呼び捨てにし、日産幹部は開いた口が塞がらなかったという。西川社長本人の昨年度報酬は4億9900万円。ゴーン氏により社長に引き上げられ、高額報酬を得ていた。ルノーによる日産の経営統合計画を阻止することを狙った“ゴーン追い落しのクーデター”なら、これは権力闘争だ。検察の手を借りて、ゴーン氏を追放したように映るのは仕方がないかもしれない。

 日産は臨時株主総会を早期に召集して、ゴーン氏と同じく逮捕されたグレック・ケリー氏の取締役職を解くことになるが、それまでの間は取締役のままである。日産に43.4%出資しているルノーが反対したら、株主総会で議決できるのか。51%以上の賛成が必要である。

 また、日産、三菱自動車(益子修CEO)、ルノー(ティエリー・ボロレ暫定CEO代行)の3社連合(アライアンス)の司令塔にあたる統括会社、ルノー・日産B・V(RNBV)のトップはゴーン氏である。RNBVのトップにはルノーのCEOが就任することになっており、日産側は是正を求めるとみられている。

 ルノーは臨時取締役会を開いたが、ゴーン氏の会長兼CEOの解任は見送った。仏のルメール経済・財政相は、ゴーン氏の解任を求めるには「証拠がない。フランスは法治国家だ。推定無罪の原則を尊重する」と主張した。

「民間企業に国家権力の介入を許す悪しき前例」

 日産の社内には、西川氏を筆頭にゴーン氏のイエスマンしか残っていない。苦言を呈した人は皆、辞めている。

 ゴーン氏がカネに汚いというのは、2000年に日産社長に就任してからすぐに社内では知れ渡っていたという。2010年に役員報酬1億円以上の情報が開示される以前、ゴーン氏の報酬は年約20億円だった。高額報酬との批判をかわすために年間10億円のリミットを設け、残りは別途プールする方式をとったのが今回の事件の発端である。

 今回逮捕されたグレッグ・ケリー氏は弁護士資格を持っており、不正の知恵袋だった。今後、法律的に反論・反撃してくる可能性もある。

「トップの不祥事なのだから、本来は社内で調査して、ゴーンを解任してから司法に告訴・告発するのが筋だ。ところが、西川さんはゴーンにモノが言えないので、検察の力を頼った。民間企業に国家権力の介入を許す、悪しき前例をつくった」(大手自動車トップ)

 日産のガバナンスは、まったく機能していない。
(文=編集部)

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