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大塚家具、これからが本当の地獄…高額商品叩き売りで現金確保、資産切り売りで赤字縮小も限界

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント
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見つからない成長戦略

 いずれにしても、大塚家具が復活するには明確な成長戦略が必要だ。同社は成長戦略として、店舗展開の面では「次世代店舗網の構築」を挙げている。かつて主流だった「まとめ買い」に代えて「単品買い」に対応する店舗を展開するとしている。都市部では標準店のほかに小型の専門店を展開し、地方では百貨店などと提携して店舗展開を図るという。小型の専門店では単品買いに対応するかたちで、ソファ専門店「ライフスタイルショップ柏の葉T-SITE」や眠りの専門店「ぐっすりファクトリー」、照明専門店「ライタリウム」を展開する。だが、店舗数が極めて少なかったり、既存の大塚家具店舗の片隅で展開されているなどで、これらの業績への貢献は限定的だ。

 リユース事業の強化も、成長戦略のひとつとして考えられている。15年7月に参入を表明し、16年9月に本格始動させた事業で、中古家具を販売する。ただ、このリユース事業は、早くも暗雲が立ち込めている。

 16年10月に誕生した横浜のアウトレット店は、17年9月に閉店を余儀なくされた。同店は1年たたずに閉店に追い込まれたことになる。これにより現在アウトレット店は、東京の有明と新宿、大阪の南港にある3店舗のみの展開となった。だが、この3店舗も存続が危ぶまれている。有明の店舗は17年6月に5割の増床を行ったものの、今年6月には増床前とほぼ同じ面積まで減床した。南港の店舗も今年6月に5割もの減床を行っている。8月発表の18年1~6月期決算説明会資料には、新宿と有明のアウトレット店を閉鎖し、南港の店舗に商品の集約を図るという計画が示されている。事業の存続もあやしくなっているといえるだろう。

 大塚家具はリユース販売するアウトレット家具の新しい名称を「リワース」に変更した。一般公募で名称を募り、同名を選択した。アンティーク家具やヴィンテージ家具と同様に価値を取り戻したり、新たな価値を加えたいという意味が込められているという。だが、残念ながら今のところ、新しい価値は加わっていないようだ。名前だけが先行するかたちとなっている。

 有効な次の一手がなかなか見えてこないなか、大塚家具はどのような道を歩んでいくのか。視界不良はまだまだ続きそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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