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松本典久「山手線各駅停車」

1日100万人が利用する新橋駅の“秘密”

文=松本典久/鉄道ジャーナリスト
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1日100万人が利用する新橋駅の“秘密”の画像1新橋駅駅名標(日比谷口)

 新橋駅は東京の港区にある駅だ。当駅には本シリーズで紹介している山手線をはじめ、京浜東北線、東海道本線、横須賀線、さらには上野東京ラインとして宇都宮・高崎・水戸方面の電車も発着している。また、JR以外では東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線、ゆりかもめも発着している。

 JR駅の利用者数は2017年度の統計で乗車人員は1日平均27万7,404人、乗降人員は概算で55万人超というところだ。乗車人員の内訳は、定期利用者が17万2,359人、定期外利用者が10万5,045人、全体では渋谷駅に続いてJR東日本第7位となっている。

 また、東京メトロ銀座線の新橋駅は17年度で1日平均乗降人員25万2,793人。こちらは東京メトロ全体では銀座駅に続いて第5位となっている。また、都営地下鉄浅草線の新橋駅は17年度の1日平均乗降人員9万8,317人、ゆりかもめの新橋駅は 16年度で1日平均乗降人員6万4,992人となっている。
 
 こうして新橋駅では相互の乗り換えも含め、100万人近い乗降客があり、日本有数の巨大ターミナルと呼べる規模になっている。

 なお、ゆりかもめは02年の東京臨海高速鉄道りんかい線大崎駅延伸で減少したが、ほかはすべて増加傾向にある。なかでもJRは15年3月の上野東京ライン開業で大きく変化、毎年乗車人員で5,000人超の増加を示している。

 新橋駅の開業は、1872年10月14日(明治5年9月12日)、日本最初の鉄道の起点として設置された。もうすぐ150歳を迎える日本最古の駅のひとつだ。この日、新橋~横浜間の鉄道が本開業となり、これを記念して10月14日は「鉄道の日」(1993年までは「鉄道記念日」と呼ばれていた)にも制定されている。

1日100万人が利用する新橋駅の“秘密”の画像2鉄道唱歌の碑(汐留口わき)

 新橋駅にはこうした歴史を伝えてくれるモニュメントが数多く設置されている。汐留口わきには「汽笛一声新橋を~」の歌詞で始まる「鉄道唱歌の碑」がある。明治時代の列車も刻まれた碑は、日本の鉄道85周年を記念して1957(昭和32)年に建てられたものだ。ちなみに「鉄道唱歌」とは、明治時代、大和田建樹の作詞によりつくられたもので、国内各路線を紹介していく大作だ。新橋は第1集東海道編のトップに紹介され、「鉄道唱歌」のなかではもっとも親しまれてきた歌詞といえるだろう。

 この碑のわきには大きな車輪も鎮座している。「デコイチ」の愛称で親しまれたD51形蒸気機関車の動輪だ。D51形は日本で最大数を誇った蒸気機関車(SL)で、北海道から九州まで全国で活躍していた。動輪の直径は1,400mm。台座上に設置されていることもあり、見上げるほどの迫力ある大きさだ。

1日100万人が利用する新橋駅の“秘密”の画像3日比谷口のSL

 また、烏森口では駅前広場に据えられたC11形蒸気機関車が大きく目を引く。C11形は400両余り製造されており、やはり日本を代表する蒸気機関車(SL)のひとつだ。こちらは車体全体が美しく展示され、わきに立つ腕木信号機と共に鉄道文化財としての資料的価値も高い。

 なお、新橋駅の烏森口側では、高架部などに明治末期から大正初期にかけて建設されたレンガ造りの構造が残っている。現在、耐震工事が進められているが、往年の風合いも残すべく配慮されているようで、ここにも歴史を感じさせる。

1日100万人が利用する新橋駅の“秘密”の画像4日比谷・烏森側では明治時代開業の歴史を伝えるレンガ構造も現役

松本典久/鉄道ジャーナリスト

松本典久/鉄道ジャーナリスト

1955年、東京生まれ。出版社勤務を経て、1982年からフリー。鉄道や旅をテーマとして、『鉄道ファン』『にっぽん列島鉄道紀行』などにルポを発表するかたわら、鉄道趣味書の編集にあたる。
著書に『消えゆく「国鉄特急」図鑑』(共著、2001年)、『SLが走る名風景』(共著、2001年)がある。

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