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桶谷 功「インサイト思考~人の気持ちをひもとくマーケティング」

なぜライザップが成功したのか、瀬戸社長自身はわかっているのか?その素晴らしい事業

文=桶谷功/株式会社インサイト代表取締役

 ライザップの事業の真の成功要因が、「人の気持ちを見事にとらえた、事業戦略にある」とわかっていなかったから、買収した企業を簡単に再建できる、つまり優れた事業戦略なしでも再生できると考えたのでしょうか。それとも逆に、成功要因がわかっているからこそ、ライザップと同じレベルの優れた事業戦略を次から次へと構築できるという過信があったのでしょうか。どちらにしても、非常に不思議です。

 失敗の原因分析以上に、自らの成功要因分析は難しいといいます。多くの事業やブランドが、せっかく成功していながら、その理由を見誤り、間違った方向にビジネスを拡張して自滅していきます。

 瀬戸社長にとって、まず重要なのは、ライザップの事業がなぜ成功したのか、という自らの成功要因を見つめ直すことではないでしょうか。ライザップは、「三日坊主にならずに、やり遂げられる」という「消費者心理(インサイト)をとらえた、事業戦略」を構築できたからこそ、成功したのです。

 ライザップ事業では、今後もこの消費者心理や戦略を踏み外さないで拡張していくことが肝要です。そして、買収した企業の事業を立て直すためには、事業ごとに異なる消費者心理を見定めていく必要があります。

 この事業では、どのような消費者心理をとらえれば成功するのか、ひとつひとつ事業戦略を構築していってはじめて、グループ傘下の企業群の再生が見えてくるのではないでしょうか。
(文=桶谷功/株式会社インサイト代表取締役)

桶谷功/株式会社インサイト代表取締役

桶谷功/株式会社インサイト代表取締役

大日本印刷(株)を経て、世界最大級の広告代理店 J.ウォルター・トンプソン・ジャパン(株)戦略プランニング局 執行役員。ハーゲンダッツのブランド育成などに貢献。2005年、著書「インサイト」(ダイヤモンド社)で日本に初めてインサイトの考え方を体系的に紹介。2010年に独立し、(株)インサイト設立。マーケティング全般のコンサルティングを行う。コンサルティング実績は、食品・飲料・日用品・クルマ・医薬品・百貨店・ファッションEC・C2C・テック系サービスと多岐にわたる。インド・中国などでのインサイト探索・戦略開発や、イノベーション開発、独自メソッドの導入・教育も行う。他の著作に「インサイト実践トレーニング」「戦略インサイト」(ともにダイヤモンド社)など。企業・協会等での講演やセミナー多数。日本広告学会会員。グロービス経営大学院MBA講師。

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