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鳥貴族、北海道進出の狙い…地元の強者=お通し無料「串鳥」に勝てるのか?

文=小林英介
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鳥貴族は北海道で成功できるのか(提供:アイビス)

 大手焼き鳥チェーン「鳥貴族」が北海道、札幌に進出する。北海道の焼き鳥チェーンといえば「串鳥」(くしどり)が有名だが、鳥貴族はその地で勝負を挑むかたちだ。鳥貴族は2月21日、北海道内初となる「すすきの店」を今年4月下旬に出店すると発表した。1985年に東大阪で創業し、関西エリアを中心に出店してきた。「うまい!を、気がねなく!」をコンセプトとしており、北は茨城県、南は沖縄県まで店舗を展開している。

 一方、串鳥は東京テアトルグループの札幌開発が運営。1980年に「串鳥本店」をオープンしたことを皮切りに、道内をはじめとして宮城県や東京都でも店舗をかまえる。岩手県産の「あはん鶏」を使用するなど、質のいい焼き鳥等を提供しているのが特徴だ。

「利便性などを考慮」、鳥貴族が札幌に出店する理由

 今回は、フランチャイズ加盟飲食店・直営店経営や飲食店業態開発事業等を手がけるアイビス(札幌市)と、鳥貴族本部が取材に応じた。まずアイビスの担当者は、鳥貴族が北海道の札幌・すすきのに進出することになった理由について「利便性等が大きな理由」などと回答した。

「北海道における最大の都市である札幌市、また道内外、国外からの交通の利便性などを考慮し、より多くの人々に鳥貴族を利用いただきたいとのことから、札幌市内で、かつ有名な歓楽街『すすきの』への出店を決めた」(アイビスの担当者)

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鳥貴族の店内。丸太や無垢木材を使用しているという(提供:アイビス)

 鳥貴族の魅力は、全品319円(税込350円)均一のメニューなどたくさんある。鳥貴族本部の担当者によれば、「均一価格・国産100%・手作りのたれ・店舗で串うち・店内の内装にこだわっている」ことが魅力として挙げられるという。

「鳥貴族では、安心・安全な料理を提供するため、フードメニューは全て国産食材を使用。また、どの店舗でも変わらない味を提供するため、創業当時よりタレは自社で製造しており、国産鶏肉の鮮度にもこだわっていることから、焼鳥は店舗で串うちしている。そして、丸太や無垢木材を使い、非日常的な空間で癒しを感じられる内装としているほか、全商品が均一価格と、いわゆる『明朗会計』となっている」(鳥貴族本部の担当者)

お通しの代わりに8種類の「スピードメニュー」を提供

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北海道の焼き鳥チェーン・串鳥(今年3月、本稿記者撮影)

 まず考えたいのは「お通し」だ。「串鳥」では「お通し」という名称ではなく、「サービス品」として「大根おろし」と「鶏ガラスープ」を無料で提供している。おかわりは自由で、本稿記者も1回の利用で2回ほどおかわりすることが当たり前になった。大根おろしは焼き鳥と一緒に食べるもよし、おつまみとして食べるもよし。ちなみに、大根おろしを鶏ガラスープに入れ、一緒に飲むのがおすすめ。さっぱりとした大根おろしと鶏ガラスープが相まって美味しいのだ。

 その一方、鳥貴族では「お通し」の提供はないという。

「最初から最後まで好きなものを食べていただきたく、お通しを提供する代わりに数種類のスピードメニューを用意している。その中でも、『おかわり無料のキャベツ盛』は大変好評をいただいている」

 鳥貴族のホームページを見ると、「超!白ねぎ塩こんぶ」や「ホルモンねぎ盛ポン酢」(数量限定)、「塩だれキューリ」、「味付煮玉子」など、8種類のスピードメニューがあった。また、ほかのメニューについても見ていたところ、「スパイス」の文字が特に気になった。例えば「もも貴族焼(スパイス)」の説明には以下のような文言が。

「スパイス、ハーブが舌を刺激し、味覚を立体化!もも肉の味を際だたせるスパイシーな逸品」

「スパイシー」との言葉が何を表しているのか不明だが、辛みを感じられる焼き鳥なのではないかと推測する。写真を見た印象では一味などの薬味を使用しているものではなさそう。黒っぽいスパイスらしきものが見えたことから、コショウを使っているのかもしれない。なお、本稿記者は「鳥貴族」を利用した経験がないため、「串鳥」には見当たらないような新しいメニューは新鮮に映っている。

 取材の最後には、アイビスの担当者が「鳥貴族の魅力、そして外食の楽しさを感じられるよう、スタッフ一同、熱意と感謝を込めておもてなしさせていただきたい。ご来店、心よりお待ち申し上げます」などとコメントを寄せた。

 本稿執筆時では開店まで残り2か月前後。果たして、「鳥貴族」は「串鳥」とどのような違いを見せてくれるのだろうか。そして、「鳥貴族」は北海道で成功できるのかに注目したい。

(文=小林英介)

小林英介/ライター

小林英介/ライター

ライター。1996年北海道滝川市生まれ。業界紙記者として働きつつ、様々な媒体でも活動している。

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