「マクドナルド渋谷センター街店の客のマナー悪すぎ＆ゴミ山積み」説を検証

　連日多くの人で賑わう渋谷だが、なかでも特にセンター街は混雑しているイメージを持つ人が多いだろう。そんなセンター街の中心地にある「マクドナルド 渋谷センター街店」の客のマナーが悪いと話題になっている。TikTokに投稿された「ゴミの捨て方雑だねシリーズ」という動画には、店内のテーブルに片づけられていないトレーが散乱していたり、ゴミ箱の上にもゴミやトレーが積み重なっていたりし、非常に雑然とした様子が映し出されていた。この動画に対してネット上では「渋谷では普通」「こういうのって1人がやったら一気にみんな追随する」など、土地柄や客層から考えて渋谷のマックでは日常茶飯事だろうという意見が寄せられている。

　果たして本当に同店舗では、こういった惨状になっているのだろうか。今回筆者が実際に店舗に行き実態をレポートしてきた。

全体的に若者が多め、店内には居眠りをしている人も

　12月18日（月曜）の午後6時半ごろ、平日でもセンター街は相変わらずの人の多さだと驚きつつ、渋谷センター街店に到着。センター街入り口から徒歩3分ほどの場所にあり、イートインスペースは180席ほど、フロアが1階・2階・3階に分かれた店舗だ。人通りが多い立地にあることから連日混み合っている。

　到着しレジ前をのぞいてみると、だいたい10人ほどの客が狭いスペースにびっしりと並んでおり、混雑具合を物語っていた。レジ対応している店員やキッチンで調理している店員は合計7、8人ほどいて、ほかのマクドナルド店舗よりも多い印象を受ける。店員の方にいつもこんなに混んでいるのか聞いてみたところ「最近は割といつも混んでいますね」とのこと。

　筆者が列に並んでから8分ほどで順番が来たので、注文を済ませて商品を受け取り、階段を上がってまずは3階のフロアへ。3階に着くとフロアの入り口付近にはゴミ箱が設置してあるが、ちょうど店員がトレーを1枚ずつ丁寧に拭いているところだった。話題となった動画のようにゴミが散乱しているということはなく、ゴミ箱付近のみならずテーブルなど全体的に清掃は行き届いていた印象である。

　客層は10代から20代の若者が多く、学校終わりの学生や仕事帰りの会社員、外国人観光客などさまざまだ。また目を引いたのが、席で居眠りをしている客がちらほら居たこと。広めの4人掛けのテーブルを独占して寝ている一人客もいた。そういった光景をほかの客が気にかけている様子もなく、店員が注意することもなく、自由に過ごせる雰囲気が漂っている。学生などが多くいたが特別騒がしいといったことはなく、静かに飲食することができた。

店員がわざわざゴミ箱の中までチェックして分別していた

　筆者は続けて2階のフロアへ移動してみた。こちらでもちょうど店員がゴミ箱の清掃を行っていたが、ゴミ箱の上には片づけられていないトレーがいくつか置かれていた。まさにTikTokの動画にあったような光景だ。しかし、これについては店員がちょうど清掃を行っていた状況であったため、店員が意図的に、客に片づけないで置いておくように伝えていた可能性もありそうだ。

　また客のなかには積み重なったトレーの前でも、きちんと食べ終わったゴミを片づけている人もいた。その後も観察を続けると、清掃が終わった後は、客はみなゴミをきちんと片づけていたので、動画のようなゴミが散乱しているといったことはなかった。

　ただ、ゴミの片付けや清掃をしている店員の行動として印象的だったのが、ゴミ箱の中まで漁って紙類とプラスチック類などのゴミを分別していたこと。その様子からすると、きちんとゴミの分別をせずに捨てている客が多いのではないかと推測できる。

訪れて感じた他店舗との違い

　なお、渋谷センター街店についてマクドナルド広報に取材依頼をしていたが、「個別店舗のお話になりますため、回答は差し控えさせていただきます」とのことであった。今回、渋谷センター街店を訪れた結果、話題となったTikTokのような惨状ではなかったが、ゴミの分別などに関しては守られていないという問題があるようだ。また、マクドナルドのなかで、他店舗より客の自由度が高いのではないかということも感じた。広めの席を陣取って居眠りする客が数人いたことなども含め、客席が2階と3階にあるため店員の目が届きにくいということも要因かもしれない。

　とはいえ、店内の雰囲気は決して悪くはなく、客側としてはのびのびと快適に過ごせるのかもしれないが、だからこそ個々の客がマナーを守って利用しなければ、TikTok動画のような惨状になりかねないのだろう。

（取材・文＝瑠璃光丸凪／A4studio）