トヨタ自動車は6日、2024年3月期連結業績予想について、本業のもうけを示す営業利益を4兆9000億円(従来予想4兆5000億円)に上方修正した。純利益は4兆5000億円(同3兆9500億円)と初めて4兆円を突破する見通し。売上高も43兆5000億円(同43兆円)に引き上げ、いずれも過去最高を見込む。コロナ禍からの生産回復に加え、円安や海外を中心とする値上げが寄与する。
グループのダイハツ工業や豊田自動織機で認証不正が相次ぎ、両社で車両や部品の出荷を見合わせている。トヨタはこうした状況を踏まえ、グループ全体の世界販売台数見通しを1123万台(同1138万台)に引き下げた。
営業利益予想は5兆円の大台に迫るものの、認証不正問題が長期化すれば業績への影響が広がる懸念がある。宮崎洋一副社長は「不確定要素はダイハツと豊田自動織機の生産台数がどうなるかだ」と語った。
円安基調が続いたことを踏まえ、24年3月期の想定為替レートは23年9月中間決算の1ドル=141円から143円に修正。従来予想との比較で、為替変動に伴う営業増益効果は2350億円積み増した。さらに、北米を中心に一部車種の値上げが奏功しているほか、中国などでハイブリッド車(HV)の販売が好調に推移している。
同時に発表した23年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比23.9%増の34兆227億円と3年連続の増収となった。営業利益は同2.0倍の4兆2402億円、純利益は同2.1倍の3兆9472億円となり、いずれも過去最高。SMBC日興証券によると、トヨタの純利益はソフトバンクグループが20年4~12月期に計上した3兆551億円を上回り、4~12月期で日本企業の最高を更新した。
◇トヨタ自動車の連結決算
2023年4~12月期 24年3月期予想 従来予想比
(対前年同期比) (対前期比)
営業収益 340,227 435,000 上方修正
( 23.9) ( 17.1)
営業利益 42,402 49,000 上方修正
(約 2.0倍) ( 79.8)
純利益 39,472 45,000 上方修正
(約 2.1倍) ( 83.6)
(注)単位億円、億円未満切り捨て、カッコ内は増減率%、営業収益は売上高に相当
(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/02/06-17:50)