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セブン-イレブンの完全セルフレジが他コンビニより超絶に優れたUXな理由

文=Business Journal編集部、協力=小林敬明/TransRecog代表
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セブン-イレブンの店舗

 セブン-イレブンの一部店舗で導入済みの完全セルフレジが、ファミリーマートやローソンのコンビニチェーンのそれと比較して非常に使いやすく、UXが優れているとして一部で話題を呼んでいる。その特徴や優位点などについて専門家の見解を交えて追ってみたい。

 大半の店舗で完全セルフレジを導入済みのファミマ、ローソンとは異なり、セブンは店員が商品のバーコードのスキャン・登録と合計金額の算出までを行い、顧客は支払いの部分だけを行うセミセルフレジを導入しているが、一部店舗では完全セルフレジを導入し始めていることはあまり知られていない。

 改めて各チェーンのセルフレジの操作手順を確認しておこう。ファミマはまず、「ファミペイ」を使用するか否かを選択するところから始まる。次にポイントカードを使用するか否かを選択する画面に遷移し、ポイントカードを利用する場合は利用するカードを選択肢してカードリーダーに差し込む。その次に商品のバーコードをガラス面にかざしスキャンしていき、支払いボタンを押し、「バーコード決済」「電子マネー・ポイント」「クレジットカードその他」のなかから支払い方法を選択(現金払いは不可)。スマホアプリなどで配布されているクーポンも利用可能であり、スマホに表示させたバーコードをハンディ型リーダーで読み取る。あとは支払い処理をして完了となる。

 ローソンはまず支払い方法を選択し、次にレジ袋が必要な時はレジ袋のバーコードをスキャン、不要な場合「レジ袋不要」のボタンを押す。ハンディ型リーダーですべての商品のバーコードをスキャンしたら「購入する」ボタンを押し、利用するクーポンがある場合は「クーポンを利用する」ボタンを押してバーコードをスキャンする。次にポイントカード(「Ponta」「dポイント」)利用の有無を選択肢し、利用する場合は「カードをスライド」「携帯・スマホをタッチ」「バーコードを読み取り」のどれかを選択肢してポイントを登録し、利用しない場合は「持っていない」ボタンを押す。最後に先ほど選択した方法で支払い処理を行う。

セブンのセルフレジの特徴

 セブンは、いきなり商品のバーコードを読み取ることから操作を始められる。商品をスキャンしていき、その途中でレジ袋のバーコードをスキャンすることが可能で、すべての商品のスキャンが終わったら「お支払へ」ボタンを押し、キャッシュレス決済手段を選択して支払いを行う。非常にシンプルな手順となっているとして、SNS上では以下のように高評価の声があがっている。

<・読み取り部分がかざすタイプ・最初に何も押さなくてもバーコードをかざせば勝手に商品を認識・最後に決済手段を選ぶだけで完結 完璧です。全部のコンビニのセルフレジこれにしてくれ…>

<最も使いやすいと思っていたダイソーと同じタイプ>

<ニューデイズは前からこんな感じでめっちゃ使いやすい>

<ローソンのセルフレジ ・決済方法を最初に選ばせる直感から程遠いUX(支払いは最後)・読み取り部分がハンディタイプ(いちいち手に取らなければいけない)・商品スキャンの前にレジ袋スキャンの工程が入る(ここで商品をスキャンすると弾かれる)なんで…?>

 セブンの完全セルフレジの特徴や工夫した点などについて、セブン&アイ・ホールディングス(HD)に聞いた。

「レジ袋の有無を選択する『はい』『いいえ』のボタンを押さずに商品のバーコードをスキャンを開始することも可能です。レジ袋の購入タイミングは決済前であればいつでも可能で、途中にご購入いただく事も可能です。(途中でレジ袋が必要になるケースもあるため)(公共料金等収納代行の受付や、揚げ物、酒やたばこのご購入時など、店舗従業員を呼んでいただく必要のあるケースも一部ございます)ご利用時、お客様がわかりやすく、スムーズに操作ができるように工夫しました。また、『●円です』や、同じ商品をスキャンした場合に『同じ商品です』などが音声でアナウンスされるため、お客様が安心してお買い物ができるように対応いたしました」

非常に優れていると評価

 PDFツール「AxelaNote」を開発・販売するTransRecog代表の小林敬明氏は、実際に使用した感想として次のようにいう。

「商品のバーコードをスキャンするだけで操作が始まる点や、手順が少なくタッチする回数が少なくて済む点は非常に優れていると評価できます。レジ袋の要・不要を選ぶボタンの配置が『はい』が右側、『いいえ』が左側になっていたり、支払い方法を選択するボタンが大きなサイズになっている点などもユーザビリティの観点で優れており、全体的なデザインの色づかいもしっかりしています。

 大手コンビニのなかでは遅れて完全セルフレジを導入するかたちになりましたが、“後出し”になった分、他社のセルフレジのUIを入念に研究して、最良のものをつくろうと検討を重ねた様子がうかがえます」

 ちなみにセブンは現在、顧客自身のスマホで商品のバーコードを読み取り決済まで完了させる「セブンスマホレジ」の導入店舗を徐々に拡大させている。顧客はレジに並ぶ時間を削減でき、店側はレジ接客に要する時間やレジ設備コストを削減できる。

「実際に使用してみましたが、まだ使いにくいかなという印象です。専用アプリをダウンロードして設定する必要があるのもハードルが高いですが、レジに並んで操作する手間が省けるので、利用頻度が高い人にはメリットがあるかもしれません」(小林氏)

(文=Business Journal編集部、協力=小林敬明/TransRecog代表)

小林敬明/TransRecog代表

小林敬明/TransRecog代表

東京理科大学理学部応用数学科卒業。首都大学東京大学大学院(現東京都立大学大学院)社会科学研究科経営学専攻(MBAプログラム)修了。大学在学中にプレイステーション用ソフト「アランドラ」(株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントシステム)の開発にプログラマとして参加。卒業後、株式会社日立製作所、マイクロソフト株式会社、丸紅情報システムズ株式会社に所属しシステムエンジニア、プロジェクトマネージャとして官公庁、金融機関向けシステム、アプリケーションの開発に従事。2017年11月より現職。メンサ会員。
TransRecogの公式サイト

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