日本発の認証技術「RC-Auth」、インド金融市場のセキュリティを革新か
インドのKadamba Intrac Private Limited(以下、Kadambaグループ)傘下のDMCバンクにおいて2025年6月1日、日本の株式会社PAY ROUTEが開発した一般ユーザー向けの認証システム「RC-Auth(ROUTECODE)」の運用を開始した。
現在主流となっているワンタイムパスワード(OTP)だけでは解決できない、インドのファイナンス市場におけるセキュリティ課題に、日本発の認証技術が革新的な変化をもたらす。
一般ユーザー向け認証の開始でインドのセキュリティ課題にアプローチ

2025年6月1日、KadambaグループのオンラインバンクであるDMCバンクにて、株式会社PAY ROUTEの双方向認証技術、RC-Auth(ROUTECODE)の導入・運用が開始された。
RC-Authはこれまで、DMCバンクを含むKadambaグループ従業員向けの人材管理ソフトウェアやコンテンツ管理システムのサービスログイン時における認証として、すでに導入されていた。今回の導入は、一般ユーザーのブラウザ版DMCバンクでのログイン時と送金時(設定金額以上の送金)の認証を対象としている。
DMCバンクのバンクシステムにRC-Authの認証システムを搭載することで、インドのファイナンス市場におけるセキュリティ課題の解決を図る。
RC-Authとは、秘密鍵・公開鍵を利用した双方向認証技術の名称。RC-AuthのSDK(Software Development Kit:ソフトウェア開発キット)を利用して、アプリに安心・安全な決済や認証機能を追加することが可能になる。
OTP認証に代わる認証技術として注目
インドでは、オンラインバンクでの送金時などに、ワンタイムパスワード(OTP)での認証が必須になっている。しかし、なおもハッキングやフィッシング詐欺などが横行し、より安全な認証手段の必要性が高まっていた。
今回の協業は、インドのファイナンス市場でセキュリティが大きな課題となるなか、KadambaグループのオーナーであるAnantkumar Hegde氏(以下、クマール氏)が、PAY ROUTEのIDやパスワードを使わないRC-Authに強く関心を示したことに端を発している。
クマール氏は、RC-Authについて「クレジットカード情報を含む個人情報が盗まれるリスクを回避しながら、従来よりもセキュリティの高いログインや決済を実現できることが強み。また、OTPのような二段階認証の必要がないため、非常にシームレスでユーザーも利用がしやすそうだ! 今後、安全性を一緒に立証することができれば、インド国内でスタンダードになりうる認証だと感じる」と評価している。彼の言葉からは、RC-Authがインド金融市場のセキュリティ基準を塗り替えるかもしれない、という期待感が伝わってくる。
PAY ROUTE、今後の展望
PAY ROUTEでは、6月から、ISO27001の取得およびNPCI(National Payments Corporation of India:インド国立決済公社)からの認証取得に向けて動き出している。
さらに、Kadambaグループが提供するEコマースのサービスログインの認証においても、RC-Authの導入を予定していく予定だ。
今回の、一般ユーザー向けサービスでのRC-Auth導入・運用開始は、インドのファイナンスセキュリティ全体の向上につながる第一歩といえる。
今後はより、セキュリティ分野における日本とインドの技術連携を加速させるとともに、RC-Authと決済システムを組み合わせた決済サービス「ROUTE PAY」の展開も視野に入れ、消費者が安心してオンラインサービスを利用できる社会の実現を目指すという。
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