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モディファイCEO小川浩「Into The Real vol.1」

「ノマドワーク」「スタートアップ」ブームは軽薄である

文=小川浩/シリアルアントレプレナー
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表面的な格好良さ

 これらのブームに共通するのは、表面的な格好の良さに踊らされているという、軽佻浮薄な気分だ。オフィスではなくカフェなどの移動先で仕事をしなければならないということは、自由というより時間やタスクに追われてのやむを得ない事情である場合が多く、電源の確保や長時間の席の確保に神経を使わなければならない。

 また、スタートアップも、興すことは簡単だが、継続することのほうがはるかに難しいことは言うまでもない。スタートアップへの憧れも、小規模な集団を率いて働くほうが、大企業に“隷属”して生きるより楽だしカッコいい、という無邪気な誤謬に基づくものだろう。

 本来は、ノマドワーカーが目指すべきは、PO(ポータブルオキュペーション=移動可能な職種)と呼ばれるべきものだ。これはカフェとか公園、という狭い範囲の移動ではなく、世界中どこであっても仕事ができる、というものだし、どんなところにいても、または移動中であっても経済的価値を常時生み出せるという境地である。

 また、スタートアップが本来目指すものは、新しいサービスや製品を生み出すと同時に、雇用と納税によって社会貢献することだ。あるいは、スタートアップが成功軌道に乗ることによって、経営者や社員にPOへの道が拓かれるというものだ。

 これらの目標は長期間にわたって継続されるべきものであり、不断の努力が必要になることを忘れてはならない。多くの若者が一過性のブームやバズに踊らされて、本質を見失わないことを強く願うものである。

小川浩/シリアルアントレプレナー

小川浩/シリアルアントレプレナー

シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。

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